マルタのヴァレッタ(Valletta)に国立考古学博物館があります。(National Museum of Archaeology)
考古学に興味が薄いMiya(@TabitInfo)は「つまらなそう…」と思っていたのですが(ごめんなさい)、考古学大好きな友人が遊びに来たので一緒に行ってきました。
そして、びっくりなんですが、面白かったんです!なのでおすすめとしてご紹介したいと思います。
マルタは考古学的に興味深い場所
マルタにはとても古い寺院や遺跡があります。
エジプトのピラミッドよりも古いと言われています。
そう聞くと見てみたくなりませんか?
実際にその寺院を訪れることもできますが、その前にこの国立公園考古学博物館(National Museum of Archaeology)でざっくりとした知識を得ることをおすすめします。
じゃないと、実際の寺院に行ってもただの石の建物にしか見えないと思います。(失礼)
それから、重要な発掘物はこの博物館に展示保管されているものもあります。
なので博物館の見学もおすすめなのです。
National Museum of Archaeology
マルタ国立考古学博物館
場所
Auberge de Provence, Republic Street, Valletta
入場料
- 大人(18~59歳) 5ユーロ
- ユース(12~17歳) 3.5ユーロ
- 学生 3.5ユーロ
- 子供(6~11歳) 2.5ユーロ
- 幼児(1~5歳) 無料
コロナの影響で支払いはクレジットカードのみと言っていました。
開館時間
10時~16時30分
火曜定休
マルタ国立考古学博物館で何が見られるの?
マルタの考古学的歴史や、建造物の一部、石造、土器などの他、期間限定展示、硬貨についても詳しく展示されています。
そして、その博物館の建物自体とても歴史のあるもので、部屋を見学することができます。
期間限定の展示
入場料を払って入館。左手に、展示室があります。
私が訪問した2021年7月は頭がい骨の展示でした。
今の頭蓋骨とは少し異なっていて、骨同士の接合部分からわかるそうです。
非常にユニークな後ろに長く伸びた頭蓋骨が見つかっており、宇宙人のものでは?という記載もありました。(アフリカでも似たようなものが発見され、頭に何かを巻き後頭部を長くする部族がいたのではと言われているそう)
頭蓋骨手術されたとされるものもあり、丸くぽっかり穴が開いていました。
脳が出血した際にされた手術で、術後数年生きていたそうです。手術が成功したということですね。
医療的知識も機械もない中、頭蓋骨に穴をあける手術をするなんて…すごいけど、怖い。
マルタの考古学的歴史展示
頭蓋骨の展示の対面から、マルタの歴史に沿った展示があります。
新石器・神殿時代
この画は遺跡の形を表しています。模型もあります。
ジュガンティーヤ神殿(Ggantija Prehistoric Temple)
1980年に世界遺産にも登録されている、世界で一番古いといわれるジュガンティーヤ神殿。
マルタ語で「巨人の塔」を意味しています。
ゴゾ島にあります。
実際にゴゾに行き、神殿内を見学することもできます。
紀元前3600年頃に作られたと言われ、全長6m、重さ約20トンの石で建造されています。
伝説では、巨人が造った神殿と言われています。
ハジャーイム神殿(Hagar Qim Temple)
紀元前3800年~2200年頃のものとされています。
現存する神殿群の中でも保存状態が大変良く、現在は巨大テントで覆われて守られています。
夏至の日の出に合わせて切り出された楕円形の穴があり、太陽光線がこの穴を通過し、室内の石板を照らします。
マルタ島の南にあり、見学も可能。
イムナイドラ神殿(Mnajdra Temple)
ハジャーイム神殿の近くにある神殿で、見学可能です。
古いもので紀元前3600〜 3200年に建てられています。
春と秋の初日(分点)と夏至と冬の初日(至点)の昇る太陽の位置を示す穴が開いています。
タルシーン神殿(Tarxien Temple)
マルタ島の空港とスリーシティズの間くらいにある神殿。
見学可能です。
古いものは紀元前3600年から3200年に建てられました。
スカートを履いた像が見つかった場所です。
発掘時の写真展示などもあります。
ハル・サフリエニの地下墳墓(Ħal Saflieni Hypogeum)
タルシーン神殿の近くにあります。
見学可能ですが入場制限があるので、事前予約をおすすめします。
1時間あたり10人限定ガイド付き、1日最大8時間開いています。
最も初期の遺跡は紀元前4000年頃にさかのぼり、最近の遺跡は青銅器時代初期(紀元前1500年頃)にまでさかのぼります。
スリーピングレディーが見つかった場所です。
ハル・サフリエニ地下墳墓は、一般の人々がアクセスできる唯一の先史時代の埋葬地と言われているので、興味がある方はぜひ訪れてみてください。
考古学博物館ではその後の時代についても展示されています。
青銅器時代
青銅器時代の発掘品が展示されています。
使われ方がマンガで紹介されていて、文章よりもわかりやすいです。
この時代の洞窟「Ghar mirdum」がとても興味深い。
地下にたくさんの空間があってアリの巣みたい!
ディングリクリフの近くにあります。
この洞窟からも多くのものが発掘されました。
Cart Ruts(Cart Tracks)
マルタのいたるところに轍があり、道のような役割をしていたのではないかと言われています。Cart Rutsと言います。
マルタ島とゴゾ島はCart Rutsで最も有名な場所。Filfla島にもあるそう。
(写真は実際にNaxxarに見に行った時のもの)
もし車輪の付いたものをその轍にはめて利用していたのではないか、など研究がされています。
その轍はなんと海の中にも続いていて、これは昔マルタとシチリア島・イタリア本土が繋がっていて、その時代に使用していたのではないかなど、とても興味深い。
フェニキア
たくさん国々を船で旅したフェニキア人。
マルタにも来ました。
その時代のものもたくさん展示されています。
中にはエジプトから運ばれてきたものもあります。
ローマ時代・ビザンティン時代のホールは現在準備中。
硬貨の展示
各時代の硬化が時代順に並べられています。
硬化を作る型なども展示されています。
グランサロン
この国立考古学博物館の建物自体、とても歴史的価値のあり、最も精巧に装飾されたバロック様式の建物の1つとして有名です。
フランスのプロヴァンス出身の聖ヨハネ騎士団の公邸として1571年に建設されました。
グランサロンの素晴らしい塗装の壁と木製の梁・天井は圧巻。
全く期待していなかったのに、おもしろくてびっくりしました!
遺跡に行かない人はもちろんのこと、遺跡に行く人は行く前の事前学習として訪れることをおすすめします。
ヴァレッタにあるので、観光のついで立ち寄るといいと思います。
館内は結構暑かったです。
なぜかフェニキアの部屋だけエアコンがありました。暑さがしんどくなったらフェニキアの部屋へ…
他にもマルタのこといろいろ書いています。
ヴァレッタでランチ
ヴァレッタで銀細工フィリグリーを購入