日本で生活をしているとイースターになじみがないですが、祝日になる国もあるほど大きな日。特に95%がカトリックと言われるマルタではイースター前のグッドフライデーが祝日で盛大なイベントが行われます。
イースター・グッドフライデーって何?
イースターとは
日本語では復活祭と表記されます。十字架に架けられて亡くなったキリストが3日目に復活した、その復活日のことです。
いつなの?
毎年移動する「移動祝日」です。春分の日以降>最初の満月の後>最初の日曜日。通常3月下旬や4月あたりです。
イースター・エッグ
たまごにカラフルな装飾がされたもの。たまごは「生命の誕生」のシンボルです。
たまご型のチョコを代用することも多く、巨大なチョコエッグがイースター・エッグとして販売されています。
イースター・バニー
イースターってなんでウサギがモチーフなんでしょうか。
子供たちがいい子かどうかをウサギが審判していた、そのウサギが子供たちにたまごを運んでくるというドイツの言い伝えに起源があります。
またウサギはたくさん子供を産むので「生命の繁栄」のシンボルとなっています。
ウサギの繁殖能力はとても高く、理由は下記の通り。
- メスは繫殖行為と同時に排卵するので妊娠の可能性が高い
- 繁殖に季節は関係ないので年中繁殖期
- 出産後に発情する
- 重複妊娠できるため、妊娠中に新しく妊娠できる(びっくり!)
昔、人々はウサギを雄雌同体と信じていて、処女性を失わずに繁殖することができるマリアのような存在だと思っていたそうですが、現実は真逆ですね。
イースターはキリストの復活祭。ではグッドフライデーとはなんでしょうか。
グッドフライデーとは
日本語では聖金曜日や受難日と表記されます。キリストが亡くなった日のことです。日本ではイースター以上になじみがないですね。
いつなの?
イースターの日曜日の前の金曜日を言います。マルタでは祝日です。
イースターはなんだかうれしい楽しい感じがしますが、グッドフライデーはなんだか悲しいですね。その祝日にはどんなことをするんでしょうか。実際にマルタでカトリックにとってのグッドフライデーの催し物を見てきたのでご紹介します。
マルタのイースター・グッドフライデー
グッドフライデーの催し物
キリストが亡くなった日なので、基本的にはお葬式のように悲しむもの。
20年前にマルタに住んでいたジョーのお母さんの話だと、誰も笑わない・スイーツは食べない・お店は全て閉まっている・お化粧はしないという話でした。
現在は、普通に笑っている・食生活もいつも通り・お店も開いているところもある・お化粧しているので、変わりつつあるようです。
2019年のグッドフライデー(4月19日)プロセッション(行進)の場所と時間
場所 | 時間 |
Birgu – Vittoriosa | 18:00 |
Bormla – Cospicua | 17:30 |
Isla – Senglea | 17:30 |
Luqa | 17:30 |
Mosta | 17:30 |
Naxxar | 17:30 |
Paola | 17:30 |
Qormi – San Ġorġ | 17:30 |
Rabat | 18:00 |
Valletta | 18:00 |
Zebbug | 17:30 |
Zejtun | 17:00 |
他にもゴゾ島でも行われます。
特に大がかりなのはモスタ、バレッタ、ゼブージ、ゼイトゥンと言われています。
交通の便上、一番行きやすいのはバレッタだと思います。私はゼブージ(Zebbug)の行進を見に行き、帰り道でオルミ(Qormi)の行進も見ました。
バスでゼブージへ
バスは運行しています。14時過ぎにゼブージに到着。まだ早いせいか、バスは混んでいませんでしたし、街には人が全然いませんでした。
国旗が半旗(喪に服すときなどに国旗を上まで上げないこと)になっていて、お葬式感を出しています。とは言え、バーは開いてるし、屋台は出てるし、思ったほど深刻な雰囲気はありませんでした。
メインの教会である聖フィリップ教会に行ってみることに。ちなみに私は信仰がありません。
入り口でおじいさんに「いい時間をお過ごしください」と声をかけられ、誰でもウェルカムに教会内に入れてくれます。
教会内で
15時から朗読が始まりました。
朗読
司祭と複数の朗読者、子供たちが入場。朗読は通常『ヨハネによる福音書』だそうです。というのも、すべてマルタ語で執り行われるため、内容がさっぱりわかりません。参加者によっては聖書を持ってきて一緒に読み上げていました。
ところどころで短めの(ほんと数秒の)歌も入ります。
献金
かごを持った人が各席をまわり献金を集めていました。コインの音がしたのでみんな1~2ユーロくらいを入れているようでした。
十字架にかけられたキリストにキス
参加者が列をなし、キリスト像に順次キスをしていきます。キスのフリをする人もいれば、本当に唇をつける人、投げキスのような形でする人、それぞれです。
パンを食べる
参加者が再度列をなし、司祭からパンを食べさせてもらっていました。丸いクラッカーのようなもので「過ぎ越しの食事」の無酵母パンの風習に基づいたものだと思います。
私の大好きなYouTubeチャンネル「山田五郎 オトナの教養講座」で、最後の晩餐について紹介している動画でそのパンの話をしています。
小さな子供はパンをもらわずに頭をなでてもらっていました。
この一連で1時間20分です。外に出てみるとたくさんの人がいました。
ちなみにこのイスに座るにはお金がかかります。
行進のコースはこんな感じでした。
行進①
キリストがユダヤ人によりローマに連れて行かれるシーン。ロバは本物です。
(キリストの受難について調べた内容から、こんな感じかな~という想像で話しています)
映画なみの豪華さ…本格的な衣装と化粧で行進していきます。行進している人たちは笑いません。
最後に本物の馬に乗ったローマ兵士たちが大迫力。
この後15分くらい空き時間があり「終わったの?」と思いました。でも誰も帰らないし「そもそもキリスト像や十字架にかけられている姿を見ていないのは変だな…」と待っているとメインの行進がスタートしました。
行進②
同じメンバーの行進に加え、先ほどまで教会内にあった「キリストが十字架にかけられるストーリーを模した像」が運ばれます。行進の速度はびっくりするくらいゆっくりです。
ローマに引き渡されたため先ほどのキリスト役がいませんね。
ローマに引き渡されたキリストは尋問を受け、むち打ちを受け、十字架にかけられ亡くなります。
この辺りでもうすでに19時20分くらいでした。かなりゆっくり進んでいることがわかると思います。
徒歩でオルミへ
帰り道の途中でオルミという街の行進も見ることができました。
キリストは一人で十字架にかけられたわけではありません。もう二人、同じ日に処刑されています。
オルミの行進の方が観客が少なくすぐ横を歩いていくので身近です。街によって規模が違うようです。
イースターの催し物
キリストの復活を祝う喜ばしいもの。イースターにも復活の行進があります。
2019年のイースターサンデー(4月21日)プロセッション(行進)の場所と時間
場所 | 時間 |
Birgu – Vittoriosa | 10:00 |
Birkirkara – Banda Sant’ Elena | 18:00 |
Birzebbugia – Kaziin San Pietru | 19:00 |
Bormla | 9:15 |
Gharghur | 9:00 |
Gzira | 9:45 |
Isla – Senlgea | 9:00 |
Kalkara – Kazin San Guzepp | 18:45 |
Luqa | 9:30 |
Mosta | 18:30 |
Naxxar | 8:30 |
Paola | 9:00 |
Qormi – San Gorg | 9:00 |
Qormi – San Bastian | 9:15 |
Rabat | 9:45 |
Sliema – St. Gregory | 17:30 |
St. Julians – Banda Spinola | 10:30 |
San Gwann – Kazin Ta’ Lourdes | NA |
Siggiewi – Kazini Siggiewi Brass | 18 |
Valletta – Tal-Gizwieti | 18:15 |
Zebbug | 9:00 |
Zejtun | 10:00 |
他にもゴゾ島でも行われています。私は現在グジラに住んでいるのでグジラの行進を見ることとしました。
朝に行進が行われる地域が多いようです。
今回グッドフライデー・イースターの行進について調べていて本当に困ったのが案内がないこと…時間と町の名前は見つけられましたが、その町のどこかがわからない。何が行われるのか詳細もわからない。
グジラでカメラを抱えて歩き回っていると親切なマルタ人が「あっちだよ~」と教えてくれてたどり着けました。
私が行進を見たのはセカンダリースクールの近くです。
朝9時30分頃外に出ると教会の鐘がゴーンゴーンとなっているのが聞こえました。
行進の仕方もグッドフライデーとはうって変わって幸せそうにキリスト像をゆさゆさ揺らしていました。
バンドの音楽もハッピーな曲調。お祝いモードです。グジラの行進は小さい方だと思います。もっと大きいものが見たい場合は、(多分)バレッタやモスタへ行った方がいいと思います。
イースター・グッドフライデーの食べ物
イースターに食べられる食べ物があるのでご紹介します。
ホットクロスバン
Hot Cross Buns
これはニュージーランドなどの他の国でもイースターに食べます。十字架がデザインされたパンで、レーズンが入っていることが多いです。
フィゴリ
Figolli
これはマルタのイースター菓子で、アーモンドシロップが含まれた焼き菓子をアイシングで飾りつけされています。
クワレジマル
Kwarezimal
これもマルタのイースター菓子。砕いたナッツが入ったアーモンドたっぷりの焼き菓子。甘すぎずおいしいです。ずっしりしています。
アポストルズリングブレッド
Apostle’s Ring Bread
これもマルタのイースターフード。グッドフライデーに焼かれる巨大なドーナツ型のパンです。とても柔らかく表面にはアーモンドとゴマがついています。味は甘くなくて普通のパンです。
グッドフライデー・イースターは年に一度の大行事。この時期にマルタに滞在する予定がある方はぜひ足を運んでみてください。日本にはない異文化をふんだんに感じられるイベントです。
他にもマルタ情報をご紹介しています。
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