元バンフガイドが教えるヨーホー国立公園ドライブルート

カナダ

せっかくバンフに行ったなら、湖や氷河やロッキーマウンテンの有名な山々を見にドライブしましょう!

バンフの街自体、見どころ魅力たっぷりですが、街の外にはもっと見どころが満載です。

路線バスは走っていないので、移動方法の候補として挙がるのが

  • ツアーに参加する
  • レンタカーで自力で行く

になります。

バンフで元ドライバー兼ガイドをしていたMiya(@tabitinfo) が、見どころと概要を写真付きでドライブルートをご紹介します。

最初に言いますが、ツアーの方がおすすめです。

最後にその理由も説明いたします。

今回ご紹介するのは「エメラルドレイクを目指すヨーホー国立公園ルート」です。

ヨーホー国立公園はバンフ国立公園の隣にある国立公園です。

バンフ発着の往復コースをご紹介します。

そこまでの道のりでは動物の出現率が高い「ボウバレーパークウェイ」を走ります。

シカ、クマ、羊、ヤギ…動物の出現もよくある道路です。

ゆっくり観光するためにも、朝から行動しましょう。

バンフからヨーホー国立公園へのドライブルート

バーミリオンレイク

Vermilion Lakes

バーミリオンレイク

ここはバンフの街から歩いて行ける距離にあり、ドライブコースでは立ち寄りません。

バンフを出発して左手に見える湖。 車窓から見ましょう。

動物観察を兼ねて遊びに行くことで一層楽しめる湖なので、ツアー終了後や空き時間で歩いて行ってみてください。

リスやシカはもちろんのこと、ビーバーがいる湖としても有名です。

見どころ満載なのでバーミリオンレイクだけを紹介した記事を書いています。詳細は「バーミリオンレイクへ!バンフの街から歩いて行けちゃう観光スポット」 でご紹介しています。

名前の由来

バーミリオンとは、知っている人は知っているかもしれません。バーミリオンは色の名前になっています。朱色の一種です。

この湖がバーミリオンレイクと呼ばれるようになったのは、

  • 朝日や夕日で湖面が赤く染まるから
  • 先住民の方が朱色の顔料を使っていたから

などいろいろな説があります。

ボウバレーパークウェイ

Bow Valley Parkway

バンフを出て10分程度で右手側に1Aへ入る道があります。この1Aがボウバレーパークウェイです。(Bow Valley Parkway)

この道には柵がないので動物たちが身近に見られます。

ディアーライン

動物探しをしつつ木々も見てみてください。ディアーライン(Deer Line)が見られます。

ディアーラインとは、シカが届く範囲の木の皮や新芽を食べてできた線で、多くの木の下から約2mだけ色が違います。日本では鹿摂食線というそうです。

山火事跡

この辺りは何年か前に燃えてしまい、森林が復活してきた場所などもあります。文章でここ!というのは難しいので、ツアー参加者の特権かもしれません。

ジョンストンキャニオン

夏は渋滞ができるほどの大人気のハイキングコース。長年かけて水の勢いによって削られた渓谷で、水って強いな…ということが感じられます。遊歩道を歩いていくと滝と洞穴があって大自然を満喫できます。

上の滝(Upper Fall)と下の滝(Lower Fall)があり、下の滝までなら気軽に行けるのでドライブの途中で立ち寄るのもありです。

キャッスルマウンテン

Castle Mountain

キャッスルマウンテン

名前の由来

氷河の侵食によって削り取られ、お城のように見えることからこのように呼ばれています。

初めてこの辺りを探索した欧米人の地学者ジェームスヘクター博士(スコットランド人)名づけました。

スコットランドのエディンバラ城に見えると言われています。

しかし、この山は一時期「アイゼンハワーマウンテン」と呼ばれていました。

1946年にカナダ首相の命により、アメリカの元大統領アイゼンハワーの名前を付けたことがあったのです。

これに反対する声が高まり、長年の抗議の末、1979年にキャッスルマウンテンに戻りました。

アイゼンハワーが亡くなってから10年後のことでした。

その山頂は今でも「アイゼンハワーピーク」と呼ばれています。

ゴルフが好きだったアイゼンハワーにちなんで、山右手の緑部分を「アイゼンハワーグリーン」とも呼ぶそうです。

この山はトランスカナダハイウェイからも見えます。「コロンビア大氷原ドライブルート」でもご紹介しています。でも、このボウバレーパークウェイからの方が見ごたえあります。

モランツカーブ

Moran’s Curve

列車好き、写真好きにはたまらないスポットです。

昔、ロッキーマウンテンに観光客を呼び込むために広告用の写真撮影がされた有名な列車の撮影地。現在は貨物列車が通る線路として、いつ列車が通るのかわからないためもし列車が通ったらとってもラッキーです。

名前の由来

モランツというのはその広告用写真を撮影した有名な写真家の名前です。

モレーン湖

モレーン湖

一番好きな湖。こんなに美しい湖、見たことない…

標高1,884mにある氷河湖。面積は0.5km²、湖の向こう側に見えるテンピークス(Ten Peaks=10の頂上)はかつて20カナダドルの絵柄にもなりました。

冬季は道路がクローズされ、雪解け後にオープンします。その年により違いますがだいたい6月頃にオープンします。

名前の由来

湖の周辺にある石の山をモレーンと勘違いしたためモレーン湖と呼ばれるようになりました。

モレーンとは氷河が削りだした岩石や砂の堆積物のこと。

氷河はじわじわと動いています。動いていないものは河ではないので氷河と呼びません。その氷河の流れでにより地表が削られ、削りカスが出るのです。それ削りカスが堆積してできた土手をモレーンと呼びます。

詳細は「モレーン湖 一生に一度は見たい絶景と呼ばれる氷河湖」に記載しています。

レイクルイーズ

Lake Louise

エメラルドグリーンの湖として、大人気の観光地です。バンフ周辺にはエメラルドグリーンの湖がたくさんあります。その中でも一番多くの観光客が訪れているのがレイクルイーズ。

名前の由来

ルイーズというのはイギリスの王女の名前で、ヴィクトリア女王の娘です。

レイクルイーズは氷河湖で、氷河の溶け水が注ぎ込まれることでこのエメラルドグリーンをしています。

そのレイクルイーズに溶け水を注ぎこむ氷河をヴィクトリア氷河といい、「母の愛が注ぎ込まれている」などと言われています。

見どころ満載なので、レイクルイーズだけを紹介した記事を書いています。詳細は「レイクルイーズってどんなとこ?バンフ国立公園の観光名所」記載しています。


レイクルイーズを出た後は1号線を進みます。バンフ国立公園を出てヨーホー国立公園へと入ります。

ヨーホー国立公園はブリティッシュコロンビア州です。(バンフ国立公園はアルバータ州)州も変わります。カナダで州が変わるということは法律も変わります。税率も変わります。

スパイラルトンネル

Spiral Tunnels

あまりに急勾配でまっすぐなトンネルだと事故が多発したためスパイラル(らせん)トンネルが作られました。トンネルなので外から見るとわかりづらいですがグネグネと曲がりながら走行しています。

トンネルは900mありますが、列車がそれ以上に長いので写真のようにスパイラル前後の車体が見えます。ここを通る列車も時刻表などがないのでいつ来るかわかりませんが、偶然列車が来たらラッキーです。

フィールド

Field

フィールドという小さな町があるので休憩しましょう。

ここにはビジターセンターがあり、化石好きならぜひ立ち寄りたいところです。ヨーホー国立公園ではたくさんの化石が発掘されていて、その内容が展示されています。道中貴重な水洗トイレもありますし、ここでの休憩がおすすめです。

ナチュラルブリッジ

Natural Bridge

川の勢いで石灰岩が削られ自然に橋ができました。この川の勢いなら岩も削れるよね!という迫力があり、氷河の溶け水色と併せてサイダーみたいにおいしそうです。(飲まないでくださいね)

エメラルドレイク

Emerald Lake

名前の通りエメラルドグリーンの湖です。氷河湖の色がきれいに出ている湖です。

レイクルイーズの説明で他にもエメラルドレイクがありますと記載しているのはこちらの湖のことです。(こちらの記事「レイクルイーズってどんなとこ?バンフ国立公園の観光名所」)

エメラルドレイク

トムウィルソンが逃げ出した馬を追いかけて来て、馬がエメラルドレイク湖畔で休んでいたために1882年に発見されました。

ここではカヌーに乗るのが人気です。湖畔にある小さなお土産屋さんでカヌーの貸し出しをしています。

お天気によって色が違うのでぜひ晴れた日に訪れたいですね。


湖沿いに少し歩くと木が生えていない広いエリアがあります。これはアバランチの跡です。Avalancheとは雪崩のこと。冬に雪崩が起き木をなぎ倒した跡です。

雪崩や山火事で森の一部がなくなることがあります。これは自然なことで自然破壊ではありません。木々がなくなった後、背の低い植物も新芽を息吹き、動物たちがそれを目当てにやってきます。そして徐々に葉を広げる植物=木々が育ち、日陰になることで背の低い植物は退化していく、というサイクルをしています。

季節によっては動物たちが大好きなベリーが実り、動物の出現可能性が高まります。その年によりますが私がいた年は9月頃に実りました。

タカカウの滝

Takakkaw Falls

7~8月の様子

結構と奥からも滝の水しぶきが感じられるほど巨大なタカカウの滝。410mの高さを誇る滝はカナダで一番の高さです。そう、ナイアガラの滝より高いんです!!

しかもこんなに近づけてしまう。

この水の勢いは季節によって違い、夏は氷河が溶けて勢いを増し、秋にかけて溶ける量が減るので勢いが減ります。

タカカウの滝は夏~秋にかけてしか道路が解放されません。そしてその道路もかなり危険で、ジグザグと急な坂を上る場所があります。大型バスはカーブを曲がり切れないためスイッチバックで上ります。(片側は前進しカーブの後は後進することで上ります)バックで急な山道を登るとか、ドライバー泣かせですよね…

スイッチバック中は危険なので、他の乗用車は待たなくてはいけません。そんなことは知られていないのでレンタカーが進んでいきバスを困らせることもあります。ツアーの方が安心な理由の一つですね。

名前の由来

タカカウというのは先住民族の言葉で驚きを叫ぶ言葉を意味します。「タカカウ!!」

滝以外だって絶景です。

ヨーホー国立公園ツアー?ドライブ?

ツアーのいいところ

運転環境の違い

カナダは左ハンドル右側通行です。日本とは逆なので、運転の感覚が違います。

日本とは違う交通ルールもあります。

例えば

  • 信号が赤でも安全が確認出来たら右折してよい
  • 踏切前では一時停止しなくてよい
  • スクールバスが乗降中は停車しなくてはいけない

など、日本にはないルールもあります。

せっかくの楽しい旅行で事故や違反をしてほしくないので、自分で運転するよりもツアーの方がおすすめです。

ドライバーが景色を楽しめない

野生動物も多いこの地域。

動物が道に飛び出さないような工夫もされていますが、それでも道路を横切ることがあります。動物に気を付けながら運転しなくてはいけないのでより一層の集中力が必要です。

こんなに素晴らしい景色があふれているのに、運転している人は見られないなんて…!かわいそうすぎる…

やっぱりツアーがいいと思います。

駐車場でスペースを探すのが大変

観光客用の一般駐車場と、ツアー会社用の専用駐車場がある場所が多いです。通常、専用駐車場はいい場所にあり移動がコンパクト。ツアーでは1か所に何時間も滞在しないので、回転も速く、すぐに駐車できます。

一般用は人によるのでいつ次空くのかがわからずずっと渋滞…ということもしばしば。

湖によっては観光用の車だけ先に通してくれる場所もあります。

動物に対する注意が十分でない

バンフ国立公園にはたくさんの野生動物がいます。リス、シカ、クマでさえも「かわい~」と近づき、近くで写真を撮りたいと思う人が絶えません。

が、そこは動物園でもなければサファリパークでもありません。動物に安易に近づき何かあった場合、責任を取るのは人間の方です。

またリスは小型動物ですが、その鋭い爪にものすごくたくさんの細菌を持っています。リスにひっかかれ細菌に感染して病院に行く人の数は、クマの被害よりも多いと言われています。

国立公園のルールを知らない

いい写真が撮りたいからと動物にスナック菓子をちらつかせて注意を引く人もいます。これはルール違反です。罰金の対象です。

国立公園の管理側も「餌付けをしている人を見かけたら車のナンバープレートを撮影して報告するように」とお達しが出ていて、現に1,000ドルの罰金を科せられた人もいます。

地元の人には当たり前のことなんですが、観光で来るとこの国立公園のルールというものを知らずに違反してしまうことがあります。ガイド付きツアーに参加して、注意事項をしっかりと確認して楽しむことをおすすめします。

山、湖、川、植物、動物…興味あるものがいっぱい

ガイド付きの魅力はガイド(案内)です。

私も覚えている限り書きだしましたが、現役ガイドをしていた時とは比べ物にならないくらい少ない情報しか書けませんでした。忘れてしまいました。案内を聞きながらのツアーは充実度が違います。

写真撮影のいいスポットを教えてくれたり、シャッターを押してくれたり、ツアーの良さはやっぱりガイド。(であってほしい)

ランチの心配がない

この辺りではランチが食べられるレストランが非常に限られています。かつ、たくさんの観光客やツアーがやってきます。

個人で行く方も、ランチは自分で用意していった方がいいです。

ツアーの場合、ほとんどのツアーがランチ込みなので、ツアーに参加すればランチの心配をする必要がありません。

レンタカーのいいところ

好きなところで好きなだけ時間を過ごすことができる

これに限りますよね。どうしても好きに行動したい場合はやっぱりレンタカーですね。

行きたいところがツアーに含まれているかわからない

今回ご紹介したすべてが含まれているツアーはプライベートツアー以外ないんじゃないかな…と思います。というのも全て回るのはかなりしんどいからです。

例えばタカカウの滝は5~6月にならないとオープンしないので、代わりにジョンストンキャニオンに行くとか、タカカウの滝がオープンしたらジョンストンキャニオンには行かないとか、そういうように時間の調節がされています。

どうしても全部に行きたい場合はレンタカーが必要かもしれませんね。

どちらを重要視するかはお任せしますが、ガイドとして現地に滞在した経験からその違いが明らかにわかるので、ツアーをおすすめさせていただきました。

ツアー予約を希望される方はご連絡ください。

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他にもバンフを含めてカナダ情報を発信していますので、併せてお読みください。

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