遺言を提出する際の英語通訳体験 

遺言書 個人的な事

日本で日本語を話せない外国人が遺言書を提出する際、通訳が必要となります。

今回オーストラリア人の友人のために英語と日本語の通訳として公証役場に行きました。

正式に通訳としてお仕事をしている人じゃなくていいの…?

と不安でしたが、通訳ができれば特別な資格や証明は不要のようです。

今回はオーストラリア人の

  • 遺言書
  • 任意後見契約書

の提出をしました。

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遺言書・任意後見契約書を提出した理由

なぜそんなものを…?

と思う方もいるかもしれません。今回のケースは日本が同性婚を認めていないためです。

日本では同性で結婚できないので、同性カップルの場合何十年と連れ添った二人でも、片方が痴ほうになったり亡くなった場合に、パートナーが病院の手続きや法律上の手続きができないのです。

  • 遺言書を提出することによって、死亡した場合にパートナーに遺産を引き渡すこと
  • 任意後見契約を提出することによって、痴ほう症などで自分で判断ができないような場合に、パートナーが手続きを代行できること

を希望する意思表示をしました。

日本語で文章が書ける場合は、外国籍であっても日本人同士のように手続きできるそうですが、日本語が書けない場合は通訳が必要になり、日本語で書かれた書面が自分の意志と違いないことを確認します。

そんな公式な場の通訳だから難しいんじゃ…と思っていました。

事実、言葉がめっちゃ難しい。日本語でも危ういのに英語で…初めて聞く単語が多くありました。

Testator(遺言者)とかNotary(公証人)とか聞いたことない…

ちなみに遺言のことをWillといい、立会人のことをWitnessといいます。

契約書によくある(以下○○という)はhereinafterという一語で言うそうです。

その場で言われたことはその場で通訳しますが、本文については事前に英訳したものを持ち込むことができるので、カンペを見ながら通訳しました。

遺言書の提出

遺言書の提出には

  • 公証人が一人
  • 立会人が二人
  • 本人
  • 通訳

計4人が公証役場の部屋に入ります。遺産を受け取るパートナーは入室できません。

最初に公証人から

「国により法律が違うので、オーストラリアがこの遺言に物申した場合は遺言書の通りに行くかはわからない」

ということを通訳するように言われました。

今回遺言書を提出する意味や効力についてその場で公証人が日本語で説明するので、それを英語で友人に伝えます。

その後、公証人が遺言書の内容を1区切りずつ読み上げるので、先に訳しておいた英文をその都度読んでいきます。

内容に間違いがなければ最後に本人、立会人、通訳者がサインをしてハンコを押します。

任意後見契約

任意後見契約は後見人になる人も入室します。逆に立会人は必要ないので、

  • 公証人
  • 本人2人
  • 通訳

が入室し、私たちの場合は行政書士さんもいました。

流れは同じで、公証人が日本語で任意後見契約について説明するので、その場で英訳します。

「任意後見契約は締結後すぐに効力を発するものではなく、本人が判断できないような状況になった場合に任意後見監督人を選出し、初めて効力を発します。後見人が面倒を見るという契約ではなく、後見人が法的な手続きや病院などの手続きを代行できるというものです。」

という内容を伝えました。

そこからは公証人が日本語で契約書を読み上げ、私が英語で読み上げるということを繰り返し、サインとハンコを押して終了です。

書類の作成

公証人が書類を作成し公証役場に原本をしまい、本人に正本と謄本が渡されます。

原本は110歳になるまで保管され、外に持ち出されることはないそうです。

提出が必要になった場合は謄本があれば法律上問題ないですが、たまに正本の提出を求める銀行もあるそうです。

手続きは以上でした。

男女のカップルであれば結婚することで家族として認められ、手続きなどをすることもできますが、同性の場合は選択肢がないためこのような形で法的に認められるように手続きをするカップルもいます。

行政書士さんによっては国際カップルに強い人、同性愛に強い人などもいるようなので、状況にあった方に相談されるとスムーズに進むと思います。

つたない通訳でしたが、大切なお友達の大切な手続きに参加することができてとてもうれしいです。

日本も早く同性婚が認められるようになったらいいですね。

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