みさきちゃんとはワーホリでクイーンズタウンに来たばかりのころに出会いました。
出会いの翌日、 事故 でヘリ搬送されるという、強烈な印象から始まったお友達です。
海外で心配なことのひとつとして、病気やケガをしたらどうなるの?ということがありますよね。
治療も心配だけれど、海外での医療費は超高額と聞きますよね…
みさきちゃんは今回の事故の治療費について、1セントも支払っていません。
ニュージーランドには保険とは別にACCという制度があり、みさきちゃんはその制度に救われました。
実際に経験したみさきちゃんの体験談を聞いたので、シェアしたいと思います。
ワーホリについての事故以外の質問
ワーホリのきっかけ
ワーホリに行くことになったきっかけを教えてくれる?
昔から漠然と行きたいと思っていて、年齢的にワーホリの期限が切れる30歳になるのをきっかけに、仕事辞めてニュージーランドにやって来ました。
ワーホリという言葉を知ったのは確か高校生の時で、ファッション誌のワーホリの記事を読んだ時だったと思います。
それから漠然と
「行きたいなかっこいいなー」
と思いつつ、社会人になって何年か経って、仲のいい友達がワーホリでニュージーランドとオーストラリアに行ってるのをみて、私も行きたいなと強く思い始めました。
エージェントについて
エージェントは使ったの?
ワーホリではエージェント使ってないです。
海外で生活できるか自信なかったから、ワーホリビザ取る前に、約2ヶ月間、観光ビザでオークランドに語学留学をしました。
その語学留学では「ラストリゾート」ってエージェント使いました。
海外行くの本当に怖くて、自力でできる気がしなくて、
- 語学学校の紹介
- 入学金
- 授業料の入金
- 現地についてからのサポート
をやってもらいました。
ホームステイを希望してたんだけど、それはエージェントじゃなくて、語学学校が用意してくれたところに行きました。
飛行機の手配は、費用を抑えたかったから自分で予約しました。
語学留学費用はいくらかかったの?
- 2ヶ月間の語学学校
- ホームステイ
- 飛行機代
全部で50万くらいでした。
ちなみにラストリゾートは無料のエージェントとして謳ってますが、会社独自の為替換算レートを設定してて、(例えば本当は1NZドル=70円なのが、ラストリゾートの設定レートでは1NZドル=80円みたいな)請求額全部が、その独自のレートで換算されて請求されました。
本来のレートで計算して比べたら約10万円多く支払ったことが判明しました。
別のエージェント使って来た友達で同じような条件で来た人と比べても10万円の差がありました。
計算しなきゃよかったと思いました。笑
渡航までのスケジュール
行くことを決めてから渡航まで何か月くらいかかったの?
2016年7月 仕事辞める
2016年10月~12月 観光ビザで語学留学
2017年1月 ワーホリへ行くことを決意
2017年4月 ワーホリビザで渡航
仕事辞めてからワーホリ初日まで9ヶ月かかってます。
渡航前の不安について
日本の仕事を辞める時どう思った?
めちゃくちゃ不安でした。不安しかなかったです。
高校を出て製菓専門学校を卒業してから約7年間同じ所で働いていたので、初めての退職、初めての無収入生、先のこと考えたら胃が痛くなってました。
仕事に関しては7年も同じところで働いていたので、自分がやりたいことは全部できたので、辞めることに対する後悔はなかったです。
ワーホリ準備で大変だったことはある?
自分の貯金で全部まかなえるのかすごく不安でした。
収入がゼロということに対する不安が大きかったです。
オンラインのビザ申請も自分の頭では何も理解できず、ブログを読み漁ってたくさんブックマークしました。
ブログのおかげでなんとかビザ申請・ゲットできました。
渡航前の英語について
英語は渡航前から話せた?
会話を楽しむことは全くできませんでしたが、仕事柄外国人のお客様と話す機会があったので、仕事で使うかなり限定された会話はしてました。
例えば料理の種類、焼き加減、調理方法などです。(Miya:みさきちゃんはシェフなんです)
言葉の壁で苦労したことはある?
一番最初に苦労したことは、飛行機に乗ってる時に入国カードを書く時、入国して検疫…
色々申告する時です。
レストランで料理をオーダーする時、友達と割り勘にしたい時、電車に乗る時、バスに乗る時…
生活の全てです。
ワーホリで最大限に英語で苦労・緊張した時は仕事の面接をした時です。
言ってる事20%くらいしかわからなかったと思います。
不採用の電話をもらった時も唯一
「unfortunately」(Miya:残念ながらという意味です。)
という言葉が聞き取れて、ダメだったんだどわかりました。
渡航前には少し勉強しておくことがおすすめ
ワーホリ中に起きた事故について
状況
ケガをした時の状況を教えてくれる?
初めてたっぷり雪が降った日、クイーンズタウンのコロネットピークという山で友達8人くらいでダンボールでそりすべりをしていました。
もうすぐ30歳になる大人がダンボールでそりすべりなんぞと年甲斐もなく遊んでました。
友達に押された形になって突然かなりのスピードが出て滑り始めて、止まることもコントロールもできず、運悪く小さな溝か岩かにお尻から突っ込んでしまいました。
意識はあるし、手足は動かせたけど、立ち上がることが出来ませんでした。
とにかく腰あたりが大変痛かったです。
病院へ搬送
痛そう…どうやって病院に行ったの?
友達が救急車を呼んでくれて救急車でフランクトンという場所にある病院に運ばれました。
救急車の中では英語・日本語両方話せる友達が通訳してくれました。
病院についてからレントゲンを撮って診てもらいました。
結果、脊髄が傷ついている可能性があり、ここでは処置できないということで、専門医がいるクライストチャーチへ、ヘリコプターで運ばれることになりました。
フランクトンの病院では友達が通訳してくれましたが、腰の骨が骨折していること以外、自分がどのような状態になっているのか、全く理解していませんでした。
(Miya:クイーンズタウンは小さな町なので、ケガが大ごとになるとクライストチャーチのような大きな都市に行く必要があります。クライストチャーチまでは車で行くと片道8時間くらいかかります。)
ヘリコプターでクライストチャーチへ搬送
ヘリコプター搬送!どんな様子だったの?
ヘリで運ばれるまでの間に友達が身の回りの支度をしてくれて、必要なもの全部家からひとまとめにして持って来てくれました。
- 着替え
- パスポート
- 日本で加入して来た保険証など
ヘリで運ばれるまでは、痛み止めとしてモルヒネをたくさん打たれていて、途中眠くなったりして少し記憶が曖昧なところもあります。
手術
クライストチャーチの病院ではどうだった?
クライストチャーチの病院では、病院専属の日本語通訳さんがついてくれて、外科医さんとの会話で苦労することはなかったです。
事故が起きた日の翌々日の午前中に手術をしました。
外科医さんは翌日すぐ手術をする予定だったようですが、間違いで出された朝食を何も疑うことなく食べてしまって…(とんでもない状況におかれていましたがとてもお腹が空いていたのです。笑)
ことにより翌日に持ち越しになりました。
麻酔を使う手術前は絶食が絶対条件のようです。
そんなこんなで事故の翌々日に手術をし、無事に終わり、人生初の入院生活が始まりました。
入院生活
その時どんなことを考えていたの?
まず最初に不安に思ったのはお金のこと。
海外で病院にかかるとものすごく高いと聞いていました。
ましてや手術・入院となるとどんだけの費用がかかるかなど検討もつきませんでした。
海外旅行保険には加入していたけど、契約内容なんて全く理解していなかったし、どのように手続きするかわからないし、私の事例が適用されるのかもわかっていませんでした。
加入した時は、まさか使うことになるとは思っていませんでしたので。
その次に身体のことが不安でした。
以前のように当たり前に歩ける生活に戻れるのか…
計り知れない大きな不安がありました。
入院中の英語のやり取りは困らなかった?
入院中の言葉に関しては、大事な話の時はベテランの医療通訳さんがついてくれていたので、全く不安はありませんでした。
手術を受けるにあたっての細かな契約書も、その通訳さんのおかげで記入できました。
その方は医療通訳として長年の経歴があり、たくさんの知識があり、言葉の面ではもちろん、精神面でも大きく支えてもらいました。
当初、クライストチャーチには友達がいなかったので、大変心細かったです。
心細くて、悲しくて、悔しくて、寂しくて、たくさん泣きました。
リハビリではどんなことをしたの?
入院中のリハビリは、まず歩けるようになることから始めました。
最初は、手押し車でゆっくり歩く、松葉杖で歩く、補助なしで歩く。
歩けるようになってからは、脊髄が傷ついていることと1週間寝たきりだったことにより、足の筋肉が大きく衰えていましたので、足の筋肉を強化するリハビリを重点的にしました。
大けがして、ひとりぼっちはつらいよね。退院まで何か月くらいかかったの?
4週間弱です。
骨折した骨に関しては手術により安定した状態になりましたが、脊髄が傷ついていることによって別の問題がありました。
途中で、脊髄に特化した同じクライストチャーチ市内の別の病院に転院しました。
退院後
完治まで何か月くらいかかったの?
働ける身体になるまで3ヶ月かかりました。
退院してからも、週1回、理学療法士の指導のもとリハビリをしました。
主に体幹を鍛えるトレーニングをしました。そのおかげで今では走れるまで回復しました。
後遺症はある?
足の痺れが残っています。
2度目の手術
2度目の手術を受けたよね。それについても教えてくれる?
手術を受けてから半年以上経ち、腰に入っている金属を抜く抜釘手術をすることになりました。
この手術はやるかやらないか選択ができましたが、医師の説明に納得できたので受けることにしました。
骨折のため手術をして金属で固定している場合、骨折部分が十分に治癒されていることが確認できたら抜釘手術を行うことが一般的のようです。
再び麻酔をして手術を受けることに大きな不安がありましたが、一生体の中に異物があることは嫌でしたし、抜くことにより腰を曲げる可動域が広がる利点があったので、受けてよかったと思っています。
術後はしばらく重い腰痛が続きました。
金属で支えられていた部分の筋肉が衰えているので、その筋肉が安定するまで少ししんどかったです。
加入していた保険について
保険は何に加入していたの?
ワーホリでニュージーランドに入国する前に、日本で
「ジェイアイ傷害火災保険」の「ワーホリ保険878」
と呼ばれるものに加入しました。
何の保険がいいかわからなかったのでブログを読み漁り、見た感じ信頼できそうなブロガーさんのおすすめするものに加入しました。
料金は1年で20万円弱です。
ACCについて
みさきちゃんが利用したニュージーランドの制度「ACC」について教えてくれる?
ACCの仕組みを100%理解しているわけではないので、情報に誤りがある可能性があることを断っておきます。
ニュージーランドにはACC(The Accident Compensation Corporation)という保険制度があります。
ニュージーランド国内で起きた事故に適応されて、救急車の費用・治療費がACCにより補償されるのです。
外国籍の人にも適用されます。
私の「ダンボールでのそりすべり事故」もACCが適用されました。
私は事故が起きてから退院するまで1セントも支払っていません。
救急車で運ばれた時点からACCの制度により、入院・手術手配されました。
救急車で運ばれている時の救命士さん、フランクトン病院のお医者さん、ヘリのドクターさん、クライストチャーチのお医者さん全員に
「ACCでカバーされるからお金の心配はいらないよ。」
言われました。
すごい制度だよね!どうやって適用されるの?
手術が終わり何日か経ってから、ソーシャルワーカーと呼ばれる方が来られて、その方がACCの手続きを全てやっていただきました。
(Miya:ここでのソーシャルワーカーとは、病院と患者とACCをつなぐ人のこと)
私は書面にサインするだけで、直接ACCの担当者とやり取りすることはなかったです。
ソーシャルワーカーさんに私が入ってるワーホリ保険の保険証の提出を求められました。
その方を通して、ジェイアイ傷害火災保険に私の事故の情報が伝わり、後日、ジェイアイ傷害火災保険の方から電話で連絡がきて今までの詳細を話しました。
その後、ACCとジェイアイ傷害火災保険との間で直接やりとりが始まりました。
そこに関しては私は全く関与していませんのでわかりかねます。
ACCがいくら支払ってくれたか知ってる?
一切分かりません。
手術にかかった費用に関しては全てACCに請求が行くようです。
その後、ACCとジェイアイ傷害火災保険とでやりとりがあり、ACCが適用される部分はACCが支払い、適用されない部分はジェイアイ傷害火災保険が支払うという形になるようです。
しばらく経ってから、「現地でかかった治療費をジェイアイ傷害火災保険が支払いました。」ということを知らせるハガキが届きました。
治療費のどの部分を保険会社が支払ったかまでは記載されていないので分かりません。
なので、治療費全額ACCでカバーされるというわけではなく、自己負担も発生してくるわけです。
私の場合、加入したジェイアイ保険により、自己負担分を全額カバーする事ができました。
親をニュージーランドに呼ぶ費用も出るって言ってたよね?それはACC?保険?
親を呼ぶ費用はACCでカバーされるかは分かりません。
保険に関しては契約内容によります。
契約にカバーされていると書かれていれば費用が出ますし、書かれていなければ出ません。
私は加入しているジェイアイ傷害火災保険ではカバーの対象でしたが、親を呼ぶことはしませんでした。
不安なときに家族の支えがないのは心細かったですが、海外経験のない英語も全く喋れない両親がきても私がケアできるわけではないし、両親に負担がかかるだけだと思ったからです。
その前に両親から見舞いに行こうかとの提案すらなかったのですが。笑
最後に…
最後にみさきちゃんからのメッセージ
事故が起きた時・入院中・退院後本当にたくさんの方に助けていただきました。
たくさんの方に迷惑もかけました。
その方達のおかげで今また働くことができますし、走ることもできます。
私を助けてくれた全ての方にこの場を借りて感謝の気持ちを伝えたいです。
本当にありがとうございました。
また、ニュージーランドの医療制度、ACCの制度に対してもお礼を言わせてください。
整った医療制度のおかげで私は適切な治療を受けることができました。
ニュージーランドの医療関係者は外国籍の私に対してもとても親切で丁寧で、入院中嫌な思いをするとこは何もなかったです。
言葉が理解できない私に対しても丁寧に接してケアしてくれました。
バカなことをして怪我をした私をここまで元気になるまで治していただき本当にありがとうございました。
ACCはニュージーランドの税金で賄われている制度です。
そのことを忘れず、ニュージーランドで働く限りはしっかり働き税金を納めて少しでも返済できたらと思います。
ワーホリで加入する保険は掛け捨てがほとんどで勿体無いと思う方もいると思いますが、事故が起きた時では自分では何もできないのです。
私は、保険に加入することを強く勧めます。
内容を知っていたにもかかわらず、私もブログに書きながら緊張感が走るみさきちゃんの事故録でした。
私も覚えています。みんなでご飯食べながら、
「 明日ソリ滑り行くけどみんな行く?」
と話していたのを。
私は仕事があって行かなかったんですが、翌日、
「昨日一緒にご飯食べたみさきちゃんって子、骨折ってヘリでクライストチャーチに運ばれたんだって!」
と聞いて、びっくりしましたよ。
「これから仕事を探すぞ」と意気込んでいたのを聞いていたし、ワーホリに来て早々の事故…
出鼻くじかれた気分ですよね。
その後、べスポークカフェという街のおしゃれカフェでシェフとして働き、就労ビザをサポートしてもらい滞在を延長。
ニュージーランド国内を旅したり、海外生活を楽しんでいました。
2019年2月いっぱいで退職し、現在は日本の佐渡で仕事をしています。
ワーホリスタート時はとっても大変で孤独な思いをしたけれど、友達ひとりひとりを大切にするみさきちゃんは、今は友達に囲まれ楽しく過ごしています。
みさきちゃん、体験談をシェアしてくれてありがとう。
また、会える日を楽しみにしてるよ!
ニュージーランドはACCのおかげで金銭的に悩む必要はなかったけど、これが他の国だったら大変なことになっていたと思います。
ヘリコプターで搬送は、相当コストがかかるはず。
保険って使わない可能性の方が高いし、金額的に結構するので、加入がためらわれますね。
でもこういう話を聞くと、入ってた方がいいなと思いますね。
みさきちゃんが加入していた
他にもあります
みさきちゃんもブログで情報収集したって言っていますが、本当そう!
今度は発信側になっていきたいと思い、書いています。
そんなみさきちゃんとは、クイーンズタウンに復帰後、遊ぶようになり、この間帰国時には北海道にも遊びに来てくれました!
レンタカーで5泊6日北海道旅行をしたんです。