せっかくバンフに行ったなら、湖や氷河やロッキーマウンテンの有名な山々を見にドライブしましょう!
バンフの街自体、見どころ魅力たっぷりですが、街の外にはもっと見どころが満載です。
路線バスは走っていないので、移動方法の候補として挙がるのが
- ツアーに参加する
- レンタカーで自力で行く
になります。
バンフで元ドライバー兼ガイドをしていたMiya(@tabitinfo) が、見どころと概要を写真付きでドライブルートをご紹介します。
最初に言いますが、ツアーの方がおすすめです。
最後にその理由も説明いたします。
今回ご紹介するのは「コロンビア大氷原ルート」です。(Columbia Ice field / コロンビアアイスフィールド)
コロンビア大氷原はバンフ国立公園の隣にある、ジャスパー国立公園にあります。
バンフ発着の往復コースをご紹介します。
そこまでの道のりでは「世界で最も美しい観光道路」とも呼ばれている「アイスフィールドパークウェイ」を走ります。
シカ、クマ、羊、ヤギ…動物の出現もよくある道路です。
ゆっくり観光するためにも、朝から行動しましょう。
英語版にはなりますが、パークスカナダという公式サイトで、アイスフィールドパークウェイの地図がみられます。
バンフからのドライブルート
出発は1号線のトランスカナダハイウェイを北上します。
バーミリオンレイク
Vermilion Lakes
ここはバンフの街から歩いて行ける距離にあり、ドライブコースでは立ち寄りません。
バンフを出発して左手に見える湖。 車窓から見ましょう。
動物観察を兼ねて遊びに行くことで一層楽しめる湖なので、ツアー終了後や空き時間で歩いて行ってみてください。
リスやシカはもちろんのこと、ビーバーがいる湖としても有名です。
見どころ満載なのでバーミリオンレイクだけを紹介した記事を書いています。詳細は「バーミリオンレイクへ!バンフの街から歩いて行けちゃう観光スポット」 でご紹介しています。
名前の由来
バーミリオンとは、知っている人は知っているかもしれません。バーミリオンは色の名前になっています。朱色の一種です。
この湖がバーミリオンレイクと呼ばれるようになったのは、
- 朝日や夕日で湖面が赤く染まるから
- 先住民の方が朱色の顔料を使っていたから
などいろいろな説があります。
キャッスルマウンテン
Castle Mountain
名前の由来
氷河の侵食によって削り取られ、お城のように見えることからこのように呼ばれています。
初めてこの辺りを探索した欧米人の地学者ジェームスヘクター博士(スコットランド人)名づけました。
スコットランドのエディンバラ城に見えると言われています。
しかし、この山は一時期「アイゼンハワーマウンテン」と呼ばれていました。
1946年にカナダ首相の命により、アメリカの元大統領アイゼンハワーの名前を付けたことがあったのです。
これに反対する声が高まり、長年の抗議の末、1979年にキャッスルマウンテンに戻りました。
アイゼンハワーが亡くなってから10年後のことでした。
その山頂は今でも「アイゼンハワーピーク」と呼ばれています。
ゴルフが好きだったアイゼンハワーにちなんで、山右手の緑部分を「アイゼンハワーグリーン」とも呼ぶそうです。
動物のために作られた橋です。
野生動物の世界に人間が入ることで道路ができました。そこを車で走ることで動物との衝突事故が起きました。そこで動物が道路に入ってこないよう柵が作られました。
しかしその柵は動物の世界を分断してしまったのです。そこで考え出されたのがアニマルアンダーパス。道路の下に両サイドをつなぐ通路を作ったのです。
しかし警戒心の強い野生動物はなかなかアニマルアンダーパスを通ってはくれませんでした。道路を車が通る音や振動を嫌がっているということがわかり、アニマルオーバーパスとして道路の上に通路が作られました。
レイクルイーズ
Lake Louise
エメラルドグリーンの湖として、大人気の観光地です。バンフ周辺にはエメラルドグリーンの湖がたくさんあります。その中でも一番多くの観光客が訪れているのがレイクルイーズ。
見どころ満載なので、レイクルイーズだけを紹介した記事を書いています。詳細は「レイクルイーズってどんなとこ?バンフ国立公園の観光名所」記載しています。
名前の由来
ルイーズというのはイギリスの王女の名前で、ヴィクトリア女王の娘です。
レイクルイーズは氷河湖で、氷河の溶け水が注ぎ込まれることでこのエメラルドグリーンをしています。
そのレイクルイーズに溶け水を注ぎこむ氷河をヴィクトリア氷河といい、「母の愛が注ぎ込まれている」などと言われています。
レイクルイーズを出てしばらくすると、トランスカナダハイウェイとアイスフィールドパークウェイの分岐がありますのでアイスフィールドパークウェイへ入ります。
ここからは道路わきの柵がありません。
本当にすぐそばに動物がいる可能性があります。気を付けて運転しましょう。
本当に車のすぐ横!でも絶対に車から降りないでください。窓も開けないでください。他の観光客がしていたとしても、しないでください。
テディベアではありません。動物園ではありません。野生動物です。
写真はすべて私が撮影したものです。本当にクマがいます。北海道出身ですが北海道でクマを見たことはありません。でもロッキーマウンテンには本当にすぐそばにクマがいます。
クマがいるとみんな車を停めて写真を撮ったりするので交通渋滞ができるんですが、カナダではこれをBear Jamクマ渋滞と呼んでいます。
ハーバートレイク
この湖は特に午前中、鏡のように穏やかな湖面に周囲の山々が映り込みます。
深さはさほどなく一番深いところで13.3mです。
名前の由来
ここはこの道路建設時、工事作業員のハーバートさんがよくここで昼寝をしていたことからハーバートレイクと呼ばれるようになったとか。
ここを停車して見たことがなく、いつも車窓から見ていました。パークスカナダの地図で確認する限り、ピクニックエリアがあるようです。
ヘクターレイク
一番深いところで87m、水面積は6㎢あり、自然湖(大きな人口湖があるので)としては、バンフ国立公園で一番大きく深い湖。
名前の由来
初めてこの辺りを探索した欧米人の地学者ジェームスヘクター博士(スコットランド人)の名前から付きました。
ここも停車したことはなく、いつもとお目に見ながら通り過ぎていました。
クロウフット氷河
名前の由来
クロウ=Crow=カラスのことです。
カラスの足の形に見えることからクロウフット氷河と呼ばれています。発見された当時はカラスの足を思わせるような3本でした。残念ながら1番下の氷河が脱落してしまい、現在は2本足になっています。
ここには道路わきに駐車スペースがあるので、ぜひ車を止めてみてみましょう。トイレはありません。
ボウレイク
標高1900mのところにある氷河湖。
バンフとキャンモアの町を流れるボウ川の水源でもあります。
名前の由来
ボウ=Bow=弓のことです。
先住民の方が弓の材料としいて使っていた植物が生い茂っているからこのように呼ばれるようになったと言われています。
午前中は風のない日が多く湖面が穏やかで、鏡のようになります。おすすめは、湖畔にある小さな橋から湖に人物を撮影することです。
湖畔にある赤い屋根の小屋
ジミーシンプソンの小屋があります。
ジミーのニックネームであるナムタイジャ(NUM-TI-JAH)と名付けられており、これは先住民の言葉で動物のテンを意味します。1950年に建てられた状態からほとんど変わっていない、歴史的に重要なこの小屋に宿泊することができます。
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私のお気に入りの湖ナンバー2!
(ナンバー1はモレーン湖)
クマが寝そべっている形と言われるこの湖。
「バスクリンみたい!」
という感想をよく聞きますが、バスクリンがペイトー湖の色をマネたと聞きました。この色を見て、バスクリンはペイトー湖の色にしようということになったとか…!
行く時期によって色が違う興味深い湖です。
雪解け後、6月頃までは青く、その後は徐々にエメラルドグリーンになっていきます。
理由は、暖かくなるにつれ氷河が溶けだしロックフラワーの含有率が上がるためと言われています。
名前の由来
ピートという人のお気に入りの場所で、彼は仲間には言わずひっそりと一人でこの湖を楽しんでいました。一人でいなくなる彼を仲間たちは不審に思い、ある日こっそりと後をつけるとそこにはこの美しい湖があったということで、ピートの湖と名前が付きました。
しかし正式に登録される際に、ピート(Peyto)をペイトーと読んだため現在はペイトー湖となっています。
この辺りの名前はうっかりとか、まちがってとか、結構由来が笑えることも多いです。
人の名前がついているところが多く感じられますが、現在はこれ以上人名はつけないこととなっています。
この辺りまで来るとかなり標高が高いです。肌寒く感じやすいので上着を持って車から降りましょう。
2019年に大規模な工事が行われ、2021年に終了。
工事後の駐車場はわかりませんが、以前は駐車場が無料で、観光用車両と一般車両の駐車場は別になっていました。
観光用車両は展望台のすぐ近くに駐車できるように考慮されていました。これもツアーの方が効率よく観光できる理由の一つです。
スノーバード氷河
名前の由来
くちばしを下に向けて羽を広げ急降下しているように見えることからこのように呼ばれています。
道路わきにドーンと見えてくるクロウフット氷河とは違い、道に停車して振り返ることで見つけられる隠れ氷河です。
ウォーターファウルレイク
Waterfowl lake
ガイド時代はめったに立ち寄ることはあまりありませんでしたが、一度プライベートでキャンプをしに行ったことがあります。とても静かで、平和なところでした。
2019年夏はペイトー湖に行けないので、ウォーターファウルレイクを代わりに訪れるツアーが多いようです。
巨大な三角、ケフレン山(Mt. Chephren)が見られます。
別名ブラックピラミッドとも呼ばれています。
名前の由来
Waterfowl=水鳥です。水鳥が羽を休めていたそうです。
ザクロッシング
The Crossing
ここは観光名所ではなく施設なんですが、ぜひ立ち寄ってください。
なぜならここを過ぎると…
- 電波が入らない
- ガソリンスタンドがない
- 水洗トイレがない
- お店がない
なので、最後の補給場所です。
宿泊することもできます。
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「すすり泣く壁」と呼ばれる滝。
弱弱しく流れる姿はすすり泣いているようだといわれています。
300mもの高さがある巨大なすすり泣き。
夏は弱弱しく泣いているこの滝は、冬はアイスクライマーに大人気のワイルドさ。
アイスクライマーってゲームの名前かと思っていましたが、実際に氷を登る人っているんだ…とカナダに来て初めて知りました。
ゲームキャラはこれ↓
今はスマブラのキャラかもしれませんが、もともとはファミコンのゲームだったんです…
ミヤポンド
Miya pond
勝手に自分の名前を池につけた場所があります。
大きなU字カーブがあるんですが、そこに青と黄色のコントラストが美しい池…?があるんです。(今もあるかな…?)
名前があるのかどうかは知りませんが、運転席から見ていて毎回「どうして黄色いんだろう…」と疑問に思っていました…。
そこである日、プライベートで行ってみました!
黄色い部分はこちら!どん!!
なんかよくわからない…
なんか、植物…?ゆらゆらしていました。
結局よくわかりませんでしたが、とにかくここの池が好きなんだと言っていたら、一緒に行った他国ガイドの友人に「もうミヤポンドってことにしようよ」と言われたので、勝手にミヤポンドと呼んでいます。
よかったらみなさんもミヤポンド見つけてみてください。(植物に詳しい方でこれが何かわかる方は教えてください…)
U字カーブに差し掛かる手前で、右手側に見えてきます。
ビッグヒル展望台
Big Hill Lookout
先ほどのU字カーブを曲がるとグイっと坂道を上ります。
その坂道の上にビューポイントがあり、今まで通ってきた道と山々を見下ろすことができます。
ここはマリリンモンロー主演の映画「帰らざる河」(英語タイトル;River Of No Return)冒頭で使用されたロケ地でもあります。
この先、ジャスパー国立公園に入ります。
コロンビア大氷原
Clumbia Icefield
目的地のコロンビア大氷原に到着です。
広くて高い台地の上に横たわる、カナディアンロッキーで最大の氷原です。
コロンビア大氷原はかつて西カナダの山の大部分を覆い隠していました。
こちらも見どころの多い場所なので別に記事にまとめました。詳細は「コロンビア大氷原観光 氷河を散歩しよう!」をご覧ください。
バンフからツアー?ドライブ?
ツアーのいいところ
運転環境の違い
カナダは左ハンドル右側通行です。日本とは逆なので、運転の感覚が違います。
日本とは違う交通ルールもあります。
例えば
- 信号が赤でも安全が確認出来たら右折してよい
- 踏切前では一時停止しなくてよい
- スクールバスが乗降中は停車しなくてはいけない
など、日本にはないルールもあります。
せっかくの楽しい旅行で事故や違反をしてほしくないので、自分で運転するよりもツアーの方がおすすめです。
ドライバーが景色を楽しめない
野生動物も多いこの地域。
動物が道に飛び出さないような工夫もされていますが、それでも道路を横切ることがあります。動物に気を付けながら運転しなくてはいけないのでより一層の集中力が必要です。
こんなに素晴らしい景色があふれているのに、運転している人は見られないなんて…!かわいそうすぎる…
やっぱりツアーがいいと思います。
駐車場でスペースを探すのが大変
観光客用の一般駐車場と、ツアー会社用の専用駐車場がある場所が多いです。通常、専用駐車場はいい場所にあり移動がコンパクト。ツアーでは1か所に何時間も滞在しないので、回転も速く、すぐに駐車できます。
一般用は人によるのでいつ次空くのかがわからずずっと渋滞…ということもしばしば。
湖によっては観光用の車だけ先に通してくれる場所もあります。
動物に対する注意が十分でない
バンフ国立公園にはたくさんの野生動物がいます。リス、シカ、クマでさえも「かわい~」と近づき、近くで写真を撮りたいと思う人が絶えません。
が、そこは動物園でもなければサファリパークでもありません。動物に安易に近づき何かあった場合、責任を取るのは人間の方です。
またリスは小型動物ですが、その鋭い爪にものすごくたくさんの細菌を持っています。リスにひっかかれ細菌に感染して病院に行く人の数は、クマの被害よりも多いと言われています。
国立公園のルールを知らない
いい写真が撮りたいからと動物にスナック菓子をちらつかせて注意を引く人もいます。これはルール違反です。罰金の対象です。
国立公園の管理側も「餌付けをしている人を見かけたら車のナンバープレートを撮影して報告するように」とお達しが出ていて、現に1,000ドルの罰金を科せられた人もいます。
地元では当たり前のことなんですが、観光で来るとこの国立公園のルールというものを知らずに違反してしまうことがあります。ガイド付きツアーに参加して、注意事項をしっかりと確認して楽しむことをおすすめします。
山、湖、川、植物、動物…興味あるものがいっぱい
ガイド付きの魅力はガイド(案内)です。
私も覚えている限り書きだしましたが、現役ガイドをしていた時とは比べ物にならないくらい忘れてしまいました。案内を聞きながらのツアーは充実度が違います。
写真撮影のいいスポットを教えてくれたり、シャッターを押してくれたり、ツアーの良さはやっぱりガイド。
ランチの心配がない
この辺りではランチが食べられるレストランが非常に限られています。かつ、たくさんの観光客やツアーがやってきます。
個人で行く方も、ランチは自分で用意していった方がいいです。
ツアーの場合、ほとんどのツアーがランチ込みなので、ツアーに参加すればランチの心配をする必要がありません。
レンタカーのいいところ
好きなところで好きなだけ時間を過ごすことができる
これに限りますよね。どうしても好きに行動したい場合はやっぱりレンタカーですね。
どちらを重要視するかはお任せしますが、ガイドとして現地に滞在した経験からその違いが明らかにわかるので、ツアーをおすすめさせていただきました。
ツアー申込希望の方はこちらから
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