スペインのカナリア諸島にある、グランカナリア島のラスパルマスにユニオンビエラというサッカーチームがあります。
そこでサッカー選手として活躍する石田湧大君をご紹介します。
イシの愛称で呼ばれています。(私はユーディーと呼んでいるのだけれど)
日本人をほぼ見かけないこの島でできた、唯一の日本人の友達です。
グランカナリア島に来て初めて日本人を見かけた私は「日本人ですよね?」と思わず声をかけてしまいました。
しかもすでに私のTwitterフォローしてくれていたということで、さらに親近感!(日本語でグランカナリア島のことをつぶやいている人ほぼいないので…)
ついに!グランカナリアで日本人に出会いました👏
— Miya🇹🇷@旅ブロガーTabit Info (@TabitInfo) November 23, 2020
早速一緒にご飯食べて、たくさん話して、楽しかった😆
さっそく一緒にご飯を食べながら話を聞いてみると、サッカー選手だというではないですか!
どんな人生を歩んでここまで来たのか気になり、インタビューしました。
サッカー選手イシの人物紹介
石田湧大(いしだ ゆうだい)
- ポジション MF
- 生年月日 1996年7月24日
- 身長 170cm
- 体重 64kg
- 出身大学 東京国際大学
現在グランカナリア島ラスパルマスにあるユニオンビエラというチームと契約しているサッカー選手です。
Les facilitamos el reportaje publicado hoy en las páginas del diario @laprovincia_es, sobre nuestros jugadores @shamkhi_ms8 y @YudaiIshida. Agradecemos la amplia cobertura del citado rotativo a la actualidad informativa del #EquipoDelBarrio 🗞️👏👏⚽️⚽️👍 pic.twitter.com/bajs2rq1m4
— @CFUNIONVIERA (@CFUNIONVIERA) January 31, 2021
部活の枠を超えて、サッカー選手になるってすごいことですよね!
しかもスペインで!
聞いてみたところ、以前はスウェーデンのチームにいたこともあるそう!!
どんな流れでここまで来たのか聞いてみました。
- 2018年12月Jリーグのトライアウトに参加
結果は不合格。
Issacというカナダ人の代理人に声をかけられ、連絡先を交換
- 2019年3月東京国際大学 卒業
- 2019年3月Issacからトライアウトの誘い
バルセロナで開催されたトライアウトに参加。
結果、スウェーデンのチームからオファーをもらう
- 2019年4月スウェーデンのチーム「HärnösandsFF」でプレイ
- 2019年9月日本へ帰国
- 2020年9月Issacからグランカナリア島の代理人Raviを紹介され、渡航
最初はマスパロマスという街に滞在し「サンフェルナンド」というチームの練習に参加
- 2020年10月同島のラスパルマスへ移動
「ユニオンビエラ」というチームの練習に参加
- 2020年11月末足首、踵をケガする
リハビリ期間2か月
- 2021年1月ビザ取得、ユニオンビエラと契約成立
- 2021年2月8日リハビリを終え練習に復帰
- 現在コロナでリーグ中断中
- 何でスウェーデンから帰国したの?
- 海外でサッカー選手になるにはどうしたらいいの?
- エージェントってどんな感じ?
- 海外のチームってどんな感じ?
- 言葉はどうしてるの??
と湧き出る質問をぶつけてみました。
日本でのサッカー生活
何歳からサッカーをしているんですか?
親が言うには赤ちゃんの頃から丸いボールが大好きで、1人でボールで遊んでいたそうです。
本格的にサッカーを始めたのは、小学一年生の頃に地元の息栖SSSという少年団に入りました。
サッカーを始めたきっかけはありますか?
親の影響が大きいと思います。(お父さんが若いころにプロではないが、サッカーをしていたそう)
それから記憶にないほど幼い時から親に連れられ、地元の鹿島アントラーズの試合を見に行っていた影響が大きいと思います。
いつからサッカー選手になろうと思ったんですか?
正直いつからかは覚えていません。
小さいころから鹿島アントラーズの試合を観戦し続けるうちに、自分も将来ここでプレーしたいなと思ったのが始まりだと思います。
憧れているサッカー選手はいますか?
小学生の時は、日本代表で10番をつけている中村俊輔選手を見て憧れていました!
今は憧れると言うよりは、沢山の選手から沢山学ぶようにしています。
大学はサッカーのスポーツ推薦入学したんですか?
大学には一般で入りました。
東京国際大学のサッカー部は、部員が約500人いて強いチームのため、上のリーグに所属していました。
大学へは誰でも入る事ができたので、無名で勉強ができない自分はそこに入り、上を目指しました。
なぜ日本ではなく海外でプレイしようと思ったんですか?
もともと海外でプレイしたくて探していたわけではなく、気づいたら海外でプレイすることになっていました。
大学サッカーを引退する時には、どこのチームにも行くあてがありませんでした。
就活をしていて、地元の地方銀行に内定を貰っていました。
しかし、サッカーでプロになる事がどうしても諦められず、逃げ道である銀行の内定をお断りさせていただくことにました。
何もない状態になり、色んなチームの練習参加やトライアウトを受けましたが、全て落ちました。
Jリーグのトライアウトにも参加しましたが、不合格でした。
しかしそこで、カナダ人の代理人Issacから連絡先を聞かれました。
Issacから連絡があり、
「バルセロナでトライアウトがあるから、来てみないか?」
と誘われました。
一度しか会ったことがないし、下手したら詐欺の可能性も全然あったので、家族からは猛反対されましたが、飛び込んじゃいました(笑)
その結果、割とちゃんとしたトライアウトで、スウェーデンのチームと契約する事ができました。
海外渡航に不安はありましたか?
Issacに誘われてバルセロナのトライアウトに行く時は不安しかなかったです。
しかし
「逆にもう詐欺なら詐欺でいいや、拉致られて死んだら俺はそこまでの人間だったんだ」
と思って変に割り切ってました。
その時はまだ海外に偏見があり、
「危ないところ、日本に比べて悪い人が多い」
と思っていました(笑)
今は偏見がなくなり、
「日本でも海外でも良い人もいれば悪い人もいる」
と思っています!
チームが決まってからはサッカーが毎日できることが幸せだったので、海外生活に対する不安は全くなかったです!
スウェーデンでのサッカー生活
スウェーデンでプレイするイシ
言葉が通じない中、どうやってコミュニケーションを取っていましたか?
渡航時は、本当に、全く、英語が話せませんでした。
それでもサッカーの実力を認めてもらえれば、チームメイトやチーム関係者はとても優しく対応してくれます。
逆のパターンもあると思います。
あとはわかる単語を並べて、とにかくジャスチャーや本気で心を込めて伝えようとすれば案外伝わりました。
相手の言っていることも、相手の表情やジャスチャー話すトーンから感情を読み取れば、大雑把にはなんとなく理解はできました。
もちろん、わからない・伝わらない時もありましたが(笑)
スウェーデンのチームではどんな経験をしましたか?
あいさつが日本とは違って、すごくカジュアルにハイタッチをするコミニケーションが好きでした。
日本の部活などでは堅苦しい挨拶を強制的にやらされるのに対して、海外ではすごく自然でその人の今日のテンションや雰囲気など感じることができてとても素敵だなと思いました。
それ以降、今でも自分の中でとても大事にしています。
強く記憶に残っていることはありますか?
散髪しに行った時に思い切って「お任せで」と言ったら、思いっきり刈り上げられて、とても奇抜になったことですかね(笑)
海外のお任せはお勧めしません(笑)
どんな毎日を送っていましたか?
- 朝自主練して
- 昼過ぎに図書館で英語の勉強して
- 夜チームの練習に行って
- 寝る
という生活をほぼ毎日やってました。
自然が綺麗な場所だったので、休みの日はよく行くあてのない散歩をしてました。
なぜ日本に帰国したんですか?
ビザ関係の理由もあったのですが、怪我をしてしまい、帰国することになりました。
スペインでのサッカー生活
スペインのエージェントとはどんな経緯で知り合ったんですか?
代理人のIssacに
「スペインでサッカーをしたい」
と伝えたところ、Raviというスペイン人の代理人を紹介してくれました。
なので今自分には、IssacとRaviの2人の代理人が付いています。
なぜマスパロマスのチームとは契約しなかったんですか?
マスパロマスのチーム「サンフェルナンド」から契約したいと言われました。
しかし登録人数過多の問題があり、最初はBチームに入らなくてはいけませんでした。
契約後すぐ調整すると言われましたが、海外なので何があるかわからないと思い、信じることができませんでした。
代理人に相談したところ同じリーグのユニオンビエラを紹介してくれました。
ユニオンビエラはどんなチームですか?
家族のようなチームです。
これはグランカナリア島の特徴ですが、かなり技術が高いと思います。
契約が決まったときの取材(スペイン語)
La recomendación del día. Conoce a … Yudai Ishida
— Tinta Amarilla (@TintaAmarilla) January 21, 2021
Nipón, 24 años, jugador de estreno en el @CFUNIONVIERA . Y un propósito vital:
“Quiero disfrutar de una vida divertida”
Así es el futbolista que “de niño imitaba a Oliver Atom”https://t.co/65BB5w8Jff pic.twitter.com/QfM25wr24a
エージェントを付けた方がいいいんですか?
個人的には、初めて海外に挑戦する時は、エージェントを付けた方が良いと思います。
中にはお金だけ取られてあまり協力してくれない代理人もいます。
でもそれは、自分の実力不足で、代理人に全力でサポートしたいと思ってもらえないことも原因のひとつだと思います。
強く記憶に残っているエピソードはありますか?
スペイン人は英語を喋れる人が少ないということですかね(笑)
勝手にヨーロッパの人はみんな英語を話せると思っていたのですが、チームメイトには1人しか英語を話せる人がいません。
今ではスペイン語を勉強してます。
どんな毎日を送っていますか?
- スペイン語の勉強
- 練習に参加
を主にやってます。
休みの日にはたまにサーフィンしたりしてます。
後はスウェーデンの時と同じく、行くあてのない散歩も好きでやってます。
散歩をしていると日本にはないことないものだらけで刺激をたくさん貰えます。
ユニオンビエラの公式Twitterではイシを含め選手の練習風景が見られます
Buenos días, afición. Seguimos en nivel 3 en #LPGC, pero nuestra actividad en las redes no cesa. Por ello, rescatamos imágenes de ARCHIVO no publicadas anteriormente de nuestra amplia hemeroteca. No te las pierdas. #ElEquipoDelBarrio #VamosViera https://t.co/jtq5haPi5l pic.twitter.com/s4xpG5nJ35
— @CFUNIONVIERA (@CFUNIONVIERA) February 7, 2021
↑3枚目の写真イシですね。
デビュー戦でワンゴール・ワンアシストを決めたイシ
海外でサッカー選手になりたい人達へ
何か応援メッセージ・アドバイスをください。
SNSで海外のチームを探してそこに自分のプレービデオや経歴などを送る方法で見つけられる可能性はあると思います。
代理人を通すとやはりお金はかかるので。
後は海外でプレーしている日本人を探して相談してみてもいいと思います。
自分に相談してくれても大丈夫です!
語学は話せなくても正直大丈夫だと思います!
サッカーの実力さえあれば全てうまく行くのが海外だと思います。
El japonés @YudaiIshida no solo se convirtió en la estrella del encuentro frente al Villa, en el que el Unión Viera ganó por 1-2, sino que se animó a realizar sus primeras declaraciones en español. #BanzaiViera #VamosViera #OrgulloRojinegro pic.twitter.com/ypwjafzwL4
— @CFUNIONVIERA (@CFUNIONVIERA) March 1, 2021
もしスペインでサッカーをしたいのであれば、ワーキングホリデービザを日本で取ってから渡航することを強く強くすすめます!
自分はこっちに来てからビザを取るのに4ヶ月くらいかかりました。
スペインでは4部以上の試合には、ビザがないと出れません。
なのでビザを取得してからスペインに渡航することをお勧めします!
後悔のない人生を。
Miyaより
私がイシに出会ったのは2020年11月のラスパルマス。イシがサーフィンを終えて陸に上がってきたところでした。(グランカナリア島は年中海に入ることができます)
おしゃれな登場の仕方と、サッカー選手、若者ということでパリピみたいな人だったらどうしよう…(偏見)と思ったんですが、全くそんなことありませんでした。むしろ真逆?
お酒はほぼ飲まず、練習中心の生活、体づくりをきちんと考えていて、とてもしっかりしていて、礼儀正しく、私もジョー(イギリス人の彼です)もイシに出会った初日から「めっちゃいい子~」と感動していました。
技術ももちろんながら、温厚な人柄もチームに受け入れられる理由の一つだと思います。
↑クリスマスさえ、ケガを治すためにオレンジジュースを飲むイシ
そんなサッカー選手として体が資本のイシが、出会って数回目の再会で、ケガをして杖をついて歩くようになっていて、とってもびっくりしました…衝撃的でした…
落ち込んでるかな…と思ったんですが
「試合真っ最中とかじゃなかったんで、タイミングよかったです。」
とか、タクシー捕まらない時に
「歩きたかったんで、よかったです。」
とか、超超超前向きなんです。
前向きに気持ちを切り替えられる強さも、今の状況を作り出した理由の一つだと思います。
イシは
- 自分から飛び込んでチャンスを作ること
- 来たチャンスをすぐにつかみ取ること
- つかみ取ったチャンスを臨機応変に活用すること
ができる人なんだと思います。
海外でサッカー選手になることを希望している人の相談にも乗ってくれるなんて、優しい…
今後の活躍も楽しみです。
いつか試合を見に行くね!!!!
※現在は日本に帰国されています。
まじで愛されとるわ。泣けてくる。
— 石田 湧大 Yudai Ishida (@yudai_ishida) October 3, 2021
本当に家族のようにみんな接してくれて感謝しかない!
本当にありがとう!
ユニオンビエラで過ごした時間はとても幸せでとても楽しかった!
あなたたちとサッカーができて本当によかった!
ありがとう!またいつの日か!
Adiós ! https://t.co/erEit28Hko
このインタビューのその後記事を第二弾として書きました。
日本帰国に至った経緯と、日本での活躍をご紹介しています。
イシのインタビューがスペイン語でも読めるように、チームの人が翻訳してくれたスペイン語版もあります。
他にも海外に住む人たちの体験談を書いています。
サッカーにうとい私が珍しくサッカー観戦した記事inマルタ
イシがいるグランカナリア島に興味がある方はスペインカテゴリーの記事も読んでみてください。