インドネシアのバリ島は日本を含め、世界から観光客がやってくる人気の島です。
なんでも「バリに来たことがないのは普通。でも1回来たのに2回目来ないのは異常。」と言われるほど、リピート率が高いそう。
そんなバリ島に観光にやってきて、そのまま仕事が見つかって移住。現地でバリ人と恋に落ち、結婚をしたのり様のケース。
のり様と私はニュージーランドのクイーンズタウンで一緒に働いた元同僚。
なぜ「様」づけ?と思うかもしれませんが、意味はありません。ただのニックネームです。
2020年1月にバリ訪問時に再会して、バリのことをいろいろ話を聞くことができたのでインタビューした内容をご紹介します。
バリに移住前
のり様はバリに移住前、ニュージーランドの大学を卒業、日本で就職、ニュージーランドワーホリ、就労を経験しています。
ニュージーランドの大学に通う
2008年にニュージーランド北島にあるカレッジに進学しました。
なぜ、ニュージーランドのカレッジに進学したの?
農学部や環境に興味があったんだけど、大学受験から逃げたくて…
おばあちゃんが新聞の広告欄で「ニュージーランドに日本人経営のカレッジがある」と見つけてすすめてくれたんだよね。環境の学部だったし、ニュージーランド=農業・環境というイメージもあったから。
親に相談したら「スカラシップ(奨学金)が取れたら行かせてあげる」と言われて。
返済不要の奨学金に合格したから行くことができたよ。半額ほど免除になり、全寮制、日本人を含め多国籍な生徒とともにカレッジに4年間通ったよ。
University
複数の学部・研究科から成り、大学院課程を設ける、大きな大学
College
複数の学部・研究科は存在せず、大学院課程を設けていない、小さな大学
試験は難しかった?
試験は英語の語学力テストだけで、その頃私はTOEIC500点くらいのレベルだったよ。
無事に卒業
日本で就職
卒業後2012年の春から日本企業に就職しました。
なぜ日本で就職したの?ニュージーランドで就職しようと思わなかったの?
当時はすごく悩んでいて、就職活動対策の面接練習で同じ質問をされ、その場で泣いてしまったくらい。
カレッジに通う日本人の中には日本での就職を希望している子もいるから、日本の就職対策の授業があって、その時に新卒ですぐに就職するという「新卒ブランド」について知り、このチャンスを逃しちゃいけないと思ったんだ。
でもあの時、日本に戻らなきゃよかったと思ってる。ニュージーランドでできた考え方や精神を、日本に戻ったことでダメにしてしまったと思う。
大学では一般的なことを学んだから、その後はもっと専門的なことを学ぶ道もあったなと今は思う。あの頃に戻れるなら日本で就職しないと思う。
Miya: 後悔も素直に話してくれる正直なのり様。
ニュージーランドでワーホリ
2013年秋に再びニュージーランドへ。ワーホリビザで渡航しました。
何でまたニュージーランドに戻ってきたの?
カレッジのころから付き合っていた彼がいて、彼はニュージーランドに残っていたから、私が日本で就職してからは日本とニュージーランドの遠距離恋愛をしていたの。その彼のところに行くためにニュージーランドのクイーンズタウンへ引っ越したよ。
クイーンズタウンでお仕事探しはどうだった?
難しかった。
働きたかった観光案内所に応募したけど、その頃は募集してなくて…。
ヒルトンホテルのクリーナーを1年間したよ。
クリーナーの仕事は客室・ロビー・プールなどを掃除する仕事で、客室の掃除が一番大変なんだ。みんな腱鞘炎になっていたよ。私は客室以外も掃除していたからいいけど、客室だけの担当の子たちは数か月でやめていったよ。
でも、6か月くらい働くと無料で1泊できたり、多国籍な同僚と仕事以外で出かけるのが楽しかったよ。
それと掛け持ちで3か月だけインディアンレストランのウェイトレスをしたよ。
インド料理が好きで、履歴書を持って行ったらその日のうちにお試しで働くことになり、そのまま採用が決まったんだ。
お客さんに怒鳴られてつらいこともあったけど、毎日おいしいまかないがもらえてうれしかったよ。
そしてもうすぐワーホリビザが切れるタイミングで、また同じ観光案内所に履歴書を出しに行ったら今度は採用されたんだ。
ニュージーランドで就労ビザ
2014年にニュージーランドにある観光案内所で就労ビザを取得。
Miya: 私とのり様はこの観光案内所で一緒に働きました。のり様は私の先輩で、もう一人の先輩とともにとっても優しい仕事環境を作ってくれていました。たくさんミスをする私に、怒るでもなくミスの原因を考えてくれたり、一つ一つ丁寧に教えてくれたり、まじめに働いているけどリラックスした雰囲気で、一緒に働けて楽しかったなぁ~。
一緒に様々なアクティビティにも参加しました。
のり様と行ったクイーンズタウン星空ツアー
のり様と行った温泉ホットプール
のり様と行ったラグビーの試合
観光案内所のお仕事はどうだった?
観光案内所の仕事は全てを任されていて仕事量が多く大変だったけど、学ぶことが多かった。時間の使い方やお金の考え方、マルチタスクをこなせるようになったし、ボスや同僚にも恵まれたよ。
クイーンズタウンの生活はどうだった?
よかったことは、少し移動するだけで絶景があるところと、コーヒーがおいしいところ。
つらかったことは、寒いことと家賃が高いこと。
どんなところに住んでいたの?
最初はジャックスポイントにしばらく住んでいて、ある日急に排水溝から下水が湧き出してきたんだ。ベッドルームまで浸水して臭いし、その家を出たよ。
次は、クイーンズタウンヒルにあるとっても素敵なシェアハウスに住んだよ。ベッドルームから山が見えて絶景で、あんなにいい家には後にも先にも住んだことがないよ。
クイーンズタウンにまた住みたいと思う?
う~ん、長期では住みたいと思わないかな。
いろんなことがあったから、私の青春って感じで、思い出すと胸がきゅっとなる。
バリに移住
2016年10月にニュージーランドを出て、バリへ行きました。
なぜ、ニュージーランドを出ようと思ったの?
クイーンズタウンは寒かったし、今からニュージーランドの他の街に住むのもなぁ~と思っていたのと、サーフィンがしたかったから。だからバリとベトナムに行くことにしたんだ。
ベトナムでは日本人の需要があるかなと思って、ベトナムにある企業の面接をスカイプで受けたんだけど落ちちゃったんだよね。
バリでは仕事を探していなかったんだけど、観光で滞在中、サーフスクールで募集があって受かったから、そのまま就職したよ。
バリで就労ビザを取ったけど、ビザが下りるまで4か月くらい待ったよ。長かった。
サーフスクールの仕事はどんな感じ?
ローカルの会社でマネージャーは英語ペラペラだし、インストラクターたちも毎日外国人のお客さんと海に出ているから英語がペラペラだったから言葉には苦労しなかったよ。
仕事中でもいい波が来たらサーフィンしてきてOKで楽しかったよ。
その後、ホテルのコンシェルジュに転職。
ホテルコンシェルジュはどんな感じ?
コンシェルジュとしてお客様に案内やお手伝いをしているよ。日本人のお客様が来た時には日本語スタッフとして応対して、観光案内所の時と仕事内容は似ているよ。
ホテルスタッフはサーフスクールの同僚たちより英語が苦手で、そのおかげで私のインドネシア語が伸びたよ。
バリの生活はどう?
バリは日本やニュージーランドよりも適当なところがあって、病院や銀行でさえ信用できないこともあるから、自分の身は自分で守らなくてはいけないなと思う。後、虫との闘い(笑)
でも、フルーツがおいしいし、ビーチが近いから簡単に行けて疲れが吹っ飛ぶよ。
バリ人と結婚
2019年に現地でバリ人のブディと結婚したのり様。
彼との出会いは?
2017年の5月頃。当時サーフスクールで働いていて、彼はサーフブランドのセールス担当。私とマネージャーがランチをしていたら、彼がたまたまレストランに来て、軽く挨拶を交わしたのが初対面。その時はほとんど会話をしなかったんだけど、その後サーフ関連のイベント再会して仲良くなったよ。
その後お付き合いすることになってから2年ちょっと経った。
私はホテルコンシェルジュに、ブディはサーフスクールのアシスタントマネージャーに転職したよ。
バリ人と国際恋愛ってどんな感じ?
基本的に何もかもが違う。違いすぎてわかってくれないだろうと思って接している。たまにわかってくれると逆にびっくりする。
根本的な教育も違うし、モラルや秩序、勘も違う。いいこと悪いことの基準、きれい汚いの基準も全然違う。違うことが当たり前で、「どうしてわかってくれないの?」と思わないからあまりケンカもしないよ。
バリの結婚ってどんな感じ?
いろいろなパターンがあると思うけど、私のように相手がバリヒンドゥ教の場合、まず、バリヒンドゥ教に改宗しなくてはいけないんだ。
そして、バリヒンドゥの人たちが生後行ってきた儀式を、私も受ける必要があって、私の場合、結婚式の朝9時から14時までの間に済ませたよ。人によっては2日程度かける場合もあるよ。
まだ受けてないけど、犬歯を平らに削らなくてはいけない。犬歯は邪悪なものだと考えられているんだよ。
14時からはお客さんを呼んでパーティ。夜まで続くよ。
バリの結婚式は手作りが基本。飾りつけだけは業者がいるけど、お供え物や料理なんかはみんなで用意するんだ。
お供え物は数日前からみんなが来て手伝ってくれるよ。
料理はクタのような都会ではケータリングを利用する場合もあるけど、ブディは村の出身だからそこではケータリングは利用しない。ブディの親の知り合いにシェフがいて料理をお願いしたよ。シェフの知り合いがいるのにケータリングを注文することは失礼で、利便性よりも人とのつながりを大切にするんだ。
Miya: 超きれい好きなのり様が高温多湿で虫が多いバリになじめるのかな?なんて勝手に思っていましたが、すっかりなじんでとっても楽しそうに幸せそうに過ごしていて本当によかった!ブディと二人でニコニコしていてとっても素敵な夫婦です。
最後に
海外に興味があるけど勇気が出ない…という方へメッセージを
勇気が出ない、私もそうです。今もそうです。他の国に行きたいと思ってもバリを出る勇気が出ない。
でも、好きならできます。私は昔から外国が好きだったし、英語に憧れがあった。だからできました。
やっぱり好きという気持ちが一番大切だと思います。
Miya: 決してすべてがうまくスムーズに来たわけではなく、のり様はこの投稿には書いていないつらい想い大変な想いもしてきています。だからこその、今の幸せです。
海外に住むことはキラキラして見えることも多いと思いますが、住んでいる人の多くがつらい想い・うまくいかないこと・悔しいことも経験しています。でもそのネガティブな気持ち以上に海外が好き!楽しい!というポジティブな気持ちを持てているから住んでいるんだと思います。(少なくとも私はそう)
居心地のいい場所を離れるのはとても勇気がいります。でももし行ってみたいところがあるのであれば、少し勇気を出して一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
まじめでいつも優しくて人のいいところを見つけるのが得なのり様。
のり様はインドネシア人に「インドネシア人?」と聞かれるほど現地になじんでいます。
そんなのり様がローカルな暮らしから見つけたおいしいインドネシア料理をインスタで日本語付きで紹介してくれています。ぜひフォローしてみてね!
私もバリの体験談を書いてます。
よかったら読んでみてください。