スペインで出会った石田湧大選手の日本帰国とその後

石田湧大 みんなの体験談

2020年にスペインのグラン・カナリア島で出会った日本人石田湧大さん。(私はユーディーと呼んでいます)

2021年にインタビュー記事を投稿しましたが、その後日本帰国されたとのこと。

プロサッカー選手としてスペインに渡航し、エージェントに紹介されチームと契約。試合に出てすぐに成果を出し、怪我をして試合に出られなくなって、治って…そして日本帰国。

彼のその後のストーリーを紹介するため、第二部を書くことにしました。

第一部となる「日本→スウェーデン→スペイン」のストーリーを読んだ後に、当記事をお読みください。

スペインのラス・パルマスにある「ユニオンビエラ」というチームに所属していた石田湧大選手。

なぜチームを去ったのか、日本に帰国したのか、帰国後はどうしているのか、サッカーは続けているのか、聞いてみました。

スペインでプロサッカー選手から撤退した理由

なぜ、スペインから撤退することになったのですか?

理由の1番大きな要因は住む場所がなくなったことです。

私は代理人が管理している家に住ませてもらっていました。

シーズン中、うまく成果が出ないときには、よく「家から出ていけ」と言われる事がありました。

そんな中でも、なんとか一年住む場所を守り抜くプレーをすることができました。

シーズンオフ中に他のチームの練習に参加

シーズンオフになり、ステップアップの為「アンテケラ」と言うチームに練習参加しましたが、うまくいかず、再びユニオンビエラに戻ることに。

そして、ユニオンビエラに合流してすぐに怪我をしてしまいした。

代理人にとって「自分に可能性があるのかないのか判断していた時期」だったのだと思います。

住むところがなくなった理由

そんな時に自分が代理人を怒らせてしまったのです。

彼の家のルールで、洗濯は週に一回メイドさんがやることになっていました。

そのルールを破り、洗濯機を自分で使いました。 (全然メイドさん洗ってくれんのだもの。笑)

代理人は何故か洗濯機を使うと怒る人でした。 前にも洗濯機を使った選手がいて、めっちゃ怒っていたので知っていました。笑

知っていながら「バレないかな」と思い使ったところ、バレて怒られ「家を出ていけ」と言われました。

すごく謝りました。 何回も謝りましたが、状況は変わらず、家を出ていくことになりました。

家を追い出され、スイスへ

木曜日には家を出ていくように言われました。

実はその前日、水曜日からスイスに行く予定がありました。

理由は、武田双雲さんの個展がスイスであったからです。

Instagramで出会ったヘス明美さんという方の家に泊めていただけることになり、荷物をまとめて代理人の家を出て、スイスに向かいました。

ユニオンビエラを離れ、日本帰国を決意

約5日間スイスにいました。2日目くらいにチームの監督から連絡がきて「家がないのか?」と聞かれました。

正直に「ないです」と答え、チームの方で家を用意してほしいと頼みましたが、断られました。

怪我もしていたこともあり「一度日本に帰った方がいいのではないか」と提案され、自分自身も確かにそうだなと納得し、日本帰国を決意しました。

チームに感謝を伝え、円満にチームを離れることになりました。

スイスからスペインへ戻る

5日間の滞在を終え、スイスからスペインのラスパルマスに戻りました。

スイスにいる間に日本帰国が決まることになると想像していなかったため、荷物は全てラスパルマスに置いたままでした。新しいチームと契約できる可能性もあるかなという期待もあり、一度ラス・パルマスに戻りました。

Miya; こ、これは、私もラス・パルマスでお会いしてみたかったオキさんではないですか…?さすがユーディーのコミュ力!オキさんは、NHKの旅するスペイン語で登場されていたおじいさまなのです。

ホームレスになる

ラスパルマスに着いて気づいたことは「家なかったんだった」でした。笑

どーしよーかなーと思いながら街中で彷徨ってました。

最悪、友達もいるしなんとかなるとは思っていましたが、まずはナンパをして家を探すことに。めでたくナンパに成功し、その人の家にとりあえず泊めてもらえることになりました。

他のチームとの契約を試みる

ナンパした人のお家にお世話になりながら、サッカー関係者の人と連絡を取り会いに行ってみましたが、うまくはいかず、一度日本に帰った方がいいなと思いました。

泊めてくれている人からも無言の圧を感じ始めていたため、日本に帰ることを決め、飛行機のチケットをとり日本に帰国しました。

日本に帰国してからのこと

自宅隔離期間

まず日本にかえってから2週間自宅で隔離しました。 久しぶりの日本はとても素敵でした。 正直控えめにいってかなり最高でした。 落ち着く家と美味しいご飯静かな街並み。

代理人との契約を解約する

チームとの契約は円満に解約しましたが、代理人と3年契約を結んでいたので、契約解除をする必要が有りました。

日本帰国後、エージェントとの契約を終了するため、連絡を取り始めました。最初は正直代理人に対して、イライラしていました。

「なんで洗濯しただけでそこまで怒るんだよ」って!笑

もちろんそれは今でもありますが、時間が経つにつれて、代理人が私にしてくれていた事に目が向くようになりました。そうすると沢山の感謝が湧いてきて、私が代理人に使う言葉も変わっていきました。

本当にありがとうと心から感謝を伝えていくと、話も良い方向に進み、契約解除の条件もお互いが納得するとても良い形にすることができました。

違約金は発生しましたが、代理人が私にしてくれたことを考えればとても安いものでした。

そして日本で働き違約金を無事に払い終わり、2021年12月末に代理人との契約を解除することができました。

本当にこの時点で人生が綺麗さっぱりとした感じがしました!

サッカー選手ではなくなってサッカー向き合った

サッカーと自分についてたくさん考えました。

  • なぜ自分はサッカーをやっているのか
  • 自分の人生をどのように過ごしたいか
  • 自分にとっての幸せとはなにか
  • スポーツって何の為にあるのか
  • どうやったらサッカーを楽しめるのか
  • どうやったら楽しい人生になるのか
  • 自分がやりたいことってなんなんだろうか

沢山自分と会話しました。

ユーディーが描いた絵

会いたい人たちに会いに行くことに

そして2週間自宅隔離を楽しんだ後、スペイン在住中にオンラインで出会った日本の人たちに会いに行ってみようと思いました!

東京へ行き、仙台へ、そして小豆島、島根県雲南市、そして愛知へからの大阪、沢山の人と会いその時その場所でしかできない体験や沢山の人の人生観、沢山の話を見たり聞いたり、感じたり、沢山素晴らしい経験をさせていただきました!

実家へ戻り仕事とリハビリ

その後実家に帰り、スペインで怪我した左膝をしっかり治してサッカーがまたやりたいという気持ちが湧いてきました。

リハビリ施設へ行きリハビリを始めました。 仕事をしながらリハビリして復帰できたと思いきや、ふくらはぎの肉離れ、治ったと思ったら反対の足、そして治ったと思ったら再度の肉離れ、そんなことを繰り返し…やっと復帰!

サッカーとまちづくりに携わることに

そのタイミングで面白い話が舞い込んできて、 旅の中で出会った人に島根県で町作りしようと誘われたのです!

さらには島根県のサッカーチームも紹介して頂くことに! サッカーと町作り、面白そうって思い行くことを決意。

島根県雲南市へ移住。 ここには沢山の面白人たちがいます!その人たちと沢山の出会いがあり、無事にサッカーできる環境を頂きました。

予定していた街づくりプロジェクトではないですが、また違った形のプロジェクトに関わらせて頂いたりサッカーもやって街の人達とも関わり、楽しい毎日を過ごしてます。

導き出した答え

感謝。 全てに感謝。 つい忘れてしまう感謝。 当たり前に全てが存在するこの世の中に感謝の心をもって接するということでした。

サッカーは自分にとって幼少期から当たり前に出来ていることでした。

そこにはよく考えると沢山の人が関わってくれてます。 それは

  • 環境を作ってくれてる人
  • 相手の選手
  • 味方の選手
  • ボールを開発してきた人たちスパイクを開発してくれた人たち
  • 産んでくれた親

これらを言い始めたらきりがありません。

サッカーができるということ

沢山の時の流れ、沢山の人、物、事が絡み合いサッカーできるという現象が発生しています。

これは別のことにも言えて、ご飯を食べる時、家でくつろいでいる時、友達と遊んでいる時、今には沢山の感謝が溢れています。これを丁寧に感じることでサッカーに感謝の心で接する事ができる。人生に感謝の心で接することができる。これは幸福感がとてもでる生き方です。

その中にいると、不安が消えていきます。そうすると今の現象に意識が向きやすくなります。

そうするとサッカーに夢中になり、自分でも思いのよらないプレーをしたり、みてる世界がかわったりします。今の一つに勝ちがあったり、負けがあったり、今の一つ一つが人生を作っている事に気がつきました。

目標を立てたとしてもその目標が達成されるにはどれだけ一つ一つの今を重ねていけるかでしかないということ。 だからこそ勝ち負けを目指すより今どれだけその瞬間に集中できるかだと気づくことができました。

先の失敗を想像して臆病になる今、目の前の現象をより解像度を上げてられるか。その今をどれだけ楽しめるか、ワクワクできるかだと思いました!

そんな今の一つ一つを経験していくと面白くて思ってもいない未来が来るのかなって思ってます!だからこそ全てに感謝。 有難い気持ちで全てに接して行こうと思ってます!

現在の活動

現在の活動 今現在は島根県雲南市に住み SC松江という中国地方リーグのチームでサッカーをしています! 雲南市には流れ着いたという感じがとてもしっくりきます!笑 雲南市には沢山面白い人がいていろんなことを学ばせてもらっています!

そして今は元町長さんのでっかい家の管理をしながら住んでいます。畑もサッカーコート一面分くらいあり山もついていて家と離れと小屋二つと蔵もあるとても大きな家です! ここでこれから沢山の面白いことでも起きると思うのでそれはSNSで発信していきたいと思っているのでぜひ見てみてください!

今後の展望

今後の天望は 今に感謝の心をもってただひたすらに楽しんで行きます! 夢はたくさんあります!

w杯優勝すること! この世界から国の境がなくなってもっと自由に世界を歩き回れるようにすること! 幸せな家族と共に楽しい日々を すごしていくこと! 全人類が楽しく遊べる世の中になること! いろんな国でいろんな人たちとサッカーをすること!

ユーディー結婚したってよ!

実は2022年にこのインタビューをし、今回の掲載までに1年近く経ってしまいました…2023年現在の状況は…

あれから今は米子元気SCというチームでサッカーをしてます!

あとスロバキア人の彼女と4月4日に入籍しました!笑 今配偶者VISAの申請中です!笑

とご報告いただきました!人生の展開が!すごい!!

いつだってエネルギッシュなユーディーなのでした。

そんなユーディーの活躍が気になる方は、ユーディーのアメブロをチェックしてみてください!

編集後記

私にとってユーディーは初めて出会ったプロサッカー選手でした。食べるもの飲むものすること全てにおいてサッカーを意識していて、プロとはこういうものなのか…と驚きました。

そんなサッカー一途な人生から、サッカー選手を辞めるという選択をし、自分にとってのサッカーとは何なんだろうとひたすら考え、全く違う経験をすることによって、改めてサッカーをしたいという初心に戻ってきたユーディー。

がむしゃらに頑張った海外生活から、一度日本に戻って人生を見つめ直すことができたんですね。

海外生活を始めると、やる気も気合もあるので一生懸命頑張ってしまいますが、無理をしすぎたりうまくいかないときは、日本帰国でまた仕切り直してみるのもいいものなのだと教えてくれるエピソードでした。

自分の人生にとって大切なことに気づき、さらに大切な人と結婚までして…良かったねぇユーディー!!!

お幸せに!

TabitInfoではみんなの海外生活体験談をご紹介しています。

みんなの体験談
海外在住日本人の体験談です。短期移住・ワーホリ・ボランティア・放浪などいろいろなパターンがあります。

ワーホリから現地就職、日本帰国して英語教室を始めたまいこさんの話

バリ旅行中に就職が決まり、バリ人の旦那様と出会い結婚したのりえさんの話

イギリスのゴッドタレントショーでゴールデンブザーを獲得した20年無帰国の岩崎さんの話

ニュージーランドワーホリ中に大怪我をしてヘリコプターで搬送されたみさきちゃんの話

青年海外協力隊でガーナに滞在したみきおちゃんの話

定年退職後に夫婦でタイに長期滞在した高木さんの話

など、いろいろな方の海外滞在体験談をご紹介しているので、ぜひ他の体験談も読んでみてください。

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