アヤソフィア 見どころは?歴史は?行く前に知って楽しさ倍増!

トルコ

かつてキリスト教の総主教座が置かれ、オスマン帝国時代には帝国内で最も高い格式を誇るイスラムモスクとして利用された歴史ある建造物です。

アヤソフィアの見どころ 概要

パッと見はミナレット(建物の周りにある塔)があるのでモスク(イスラム教の建物)ですが、中に入るとイスラム教の教えとキリストが描かれている不思議な建物です。

イスラム教とキリスト教って異教同士なのになぜ…?

現在の建物は3代目で、もともとはキリスト教の聖堂として建てられました。

916年間キリスト教教会として使用され、その後482年間はイスラム教モスクとして使用され、現在は博物館となっています。

そこには複雑な歴史背景を持つトルコならではの理由がありました。

※2020年7月にトルコのエルドアン大統領が「モスクに戻す」こととしました。

場所と入場料

場所

アヤソフィアの歴史

キリスト教の教会時代

330年 ローマ帝国の支配下となる。現在のイスタンブールはコンスタンティノープルと呼ばれる。

360年 キリスト教聖堂が建つ

415年 再建される

532年 暴動により壊される

537年 再建(現アヤソフィア)

557年 震災により大聖堂は大きな被害を受ける

563年 再建

8~9世紀 聖像破壊運動により破壊される

10世紀,14世紀 地震によりドームが崩落

1204年 十字軍による略奪

1261年 再び東ローマが取り戻す

イスラム教のモスク時代

1453年 オスマン帝国によりコンスタンティノープルが陥落。イスタンブールに改名される。

イスラム教が勢いを増す。

キリスト教聖堂はイスラム教のモスクに改造される。モスクとしてミナレットが建てられる。

1923年 トルコ共和国となる。

博物館時代

1935年 モスクは博物館となる。

1985年 世界文化遺産に登録

2020年 モスクに戻すことに

オスマンがコンスタンティノープルを陥落した時に、様々なものを略奪し、破壊しましたが、キリスト教聖堂があまりに美しかったので、モスクに改造して使用することとしたのです。

アヤソフィアの見どころ

アヤソフィアの外観

4本のミナレットが建てられています。

別のスルタン(皇帝)によって建てられたためデザインが統一されていません。

ミナレットとは

イスラム教の建物(主にモスク)に建っている塔のことです。

イスラム教の国に行くと聞くアザーンが流れる場所。アザーンは礼拝の時間を知らせるもので、音としてはお経のような、叫びのような、歌のような…独特のものです。

アヤソフィアはブルーモスクから徒歩圏内にあります。

ブルーモスクからアヤソフィアに向かって歩き、ゲートをくぐるときに見える瞬間がとてもかっこよくて好きです。

大きさ

長さは100m、幅は69.5mです。

ドームの高さ;55.60m、

半径;北から南方向に31.87m、東から西方向に30.86m

アヤソフィアの内観(博物館時代)

建造物に使用されている素材

大理石と柱

アスペンドゥスエフェソス、バアルビーク、タルサなどのアナトリアとシリアの周辺の古代都市から大理石や柱の石が運ばれました。

  • 白い大理石;マルマラ島産
  • 緑の斑岩;Eğriboz島産
  • ピンクの大理石;Afyon産
  • 黄色の大理石;北アフリカ産
  • 柱;エフェソスのアルテミス神殿、エジプト

一つの大理石ブロックを2つに分割し、それらを組み合わせて対称的な形を作り出しました。

モザイク装飾の素材

  • ガラス
  • テラコッタ
  • カラフルな石

大理石以外のアヤソフィアのすべての壁は、ビザンツ文化の象徴ともいえる美しいモザイクで飾られています。

2019年3月に訪問しましたが、建物のあちこちで修復工事が行われていました。

1階

モザイク装飾 キリストと、キリストに礼拝をする皇帝

入り口を見上げると、モザイク画「キリストと、キリストに礼拝をする皇帝」があります。

この古さで今も色鮮やかに見ることができるのはすごいですね。

The Omphalion

そのまま中に進むと東ローマ帝国の戴冠式が行われた場所があります。

天井の聖母子像

とても不思議な構図。

キリスト教の聖母像がドーム天井に描かれており、かつ、イスラム教のアッラーやムハンマドの名が書かれた円盤が同じ空間にあります。

もともとキリスト教の教会として建てられたこの建物には、もちろんマリアやキリストが描かれています。

その後イスラム教のモスクに改造され、イスラム教は偶像崇拝を禁止しているので(神様を描いたり像にして祈ること)キリスト教の壁画は漆喰で覆い隠されました。

その後、博物館となり修復工事をしていたところ、漆喰の下からキリスト画が出てきて、現在は両方が同じ空間にあるということが起こっています。

おもしろい!

ミフラーブ

この天井画の麓にはミフラーブというイスラム教のモスク内にある、メッカの方向に建てられるくぼみがあります。

通常モスク建設時にミフラーブを中心に設計されますが、この建物はもともとキリスト教会だったため、建物の中心より少しずれたところにミフラーブがあります。

それより手前のネコが気になります?

アヤソフィアの中にはネコがいます。

この日は寒かったので、照明で暖を取っているようでした。

モザイク装飾 聖母子に献上する皇帝
  • 右;コンスタンティノープルの街(イスタンブール)を捧げるコンスタンティヌス
  • 中央;聖母子
  • 左;アヤソフィアを捧げるユスティニアヌス
すすり泣く柱

壁に穴が開いていて、指を入れてぐるりと回しています。

親指を入れ残りの4本指を話さずに360度回すことができれば願いが叶うと言われています。

穴の中は大理石の柱があり、これが濡れていることがあるそうです。

大理石が冷たいから濡れているように感じるのではないか…とも思いました。

2階

モザイク装飾 デイシス

アヤソフィアで最も有名なモザイク画です。

  • 左;マリア
  • 中央;キリスト
  • 右;洗礼者ヨハネ

窓から入る光を効果的に利用したもので、ビザンツ美術の最高傑作といわれています。

人の罪を許す姿が描かれています。下部はほとんど損傷しています。

モザイク装飾 聖母子と皇帝家族
  • 左;金貨の入った袋を持つ皇帝ヨアンネス二世
  • 中央;聖母子
  • 右;目録を手にしている皇帝イレーネ
キリストと女帝ゾエ夫妻

女帝と言われるゾエは生涯で三度結婚したとされ、そのたびに夫の顔が描き直されました。

  • 左;コンスタンティヌス9世(ゾエの三人目の夫)
  • 中央;キリスト
  • 右;女帝ゾエ

大理石の柱や、あらゆるところのモザイク装飾が美しいので常にきょろきょろしてしまうアヤソフィア。

私はモザイク装飾が大好きです。

これが絵や色じゃなく一つ一つつぶつぶのモザイクということが信じられないくらい美しい…

おもしろい歴史背景と、素晴らしい建物を満喫できるアヤソフィアはイスタンブールで一番人気の観光地です。

2020年にモスクに変更され、現在キリスト教部分は隠されています。

他にもトルコのこと書いています。

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