航空券には通しと別切りというものがあるのをご存知ですか?
あなたがこの記事を検索したということは、すでに別切り航空券を買ってしまって不安で一杯なのかもしれません。
私の別切り航空券の体験談をご紹介します。
航空券の通しと別切り
まずは通しと別切りそれぞれの意味はこちら。
通しと別切りとは
通しとは
直行便ではない飛行機の予約について出発地から目的地までの航空券を一括(通し)で購入すること。
多くの方が通常このように購入されると思います。
別切りとは
直行便ではない飛行機の予約について出発地から目的地までの航空券を一括(通し)で購入せずに、別々に購入すること。
違いを詳しく
航空会社の公式ホームページで出発地と到着地を入れて検索すると、直行便なのか何回乗り換えがあるのかが表示されます。
乗り換えがある場合に、そのサイトでポチっと購入すると通し航空券です。
例として、出発空港が成田→乗り換え空港がシドニー→到着空港がオークランドとしましょう。
2便の飛行機に乗ることになりますね。
通しで購入している場合は、乗り換え先の便が別の航空会社(共同運航など)であろうと一つの予約番号がつきます。
通常、当日空港カウンターに行くと「成田→シドニーの航空券」と「シドニー→オークランドの航空券」の2枚を発券してくれます。
オンラインチェックインをする場合も、一回のチェックインでまとめてできます。
シドニーについた際に2便目の航空券を見せて乗り換えるだけ。
経路は違いますが、初めて一人で飛行機に乗った私の母でも一人でできました。それくらい簡単。
乗り換えのある予約を、(上記の)通しでしない航空券 = 別切り航空券と呼びます。
つまり、成田→シドニーを購入し、その予約とは別にシドニー→オークランドを購入する場合。
各便ごとに予約するので、予約番号も別々になります。
この別切り航空券ではどのような対応になるのでしょうか。
私これを3度ほどやっていまして、ハラハラしたの経験があるので情報共有したいと思います。
パッと見何がいけないの?と思いますが、これがめちゃくちゃ大きな違いなんです。
結果から言うと、空港によりますが、なんとかなりました。でも大変だからおすすめしません。
私が経験したのは、
- シェムリアップ(タイ)→香港→大阪
- マラケシュ(モロッコ)→シュトゥットガルト(ドイツ)→サビハ・ギョクチェン(トルコ)
- 甥っ子の予約で千歳→香港→ローマ(イタリア)→マルタ
です。
別切り航空券の体験談
シェムリアップ(タイ)→香港→大阪
なぜ別切りで購入したのかというと…
会社の休みを利用して香港旅行を計画し香港行きの往復航空券(航空会社:キャセイパシフィック)を購入。
香港から少し足を延ばせそうなくらいの日数があったので、香港発着のタイ行き往復航空券(航空会社:タイエアー)を別途購入。
- 往路:香港にに滞在し、タイへ。
- 帰路:香港には滞在せず、日本に帰国する。
特に何も考えずに「あー、タイにも行こうかなー」と思ったんです。
往路は何も問題なく、香港に行き滞在。タイへ移動し、滞在。問題は帰路です。
帰路のシェムリアップ空港にて
タイ航空のチェックインカウンターで香港行きの予約のみを見せ、日本に帰国する話は一切しませんでした。
なので、シェムリアップ空港の職員の人は私が香港に旅行に行くと思って手続きをしてくれました。
何も言わなかった理由は、香港に入国して、スーツケースを受け取り、出国して、日本行きの飛行機に乗らなくてはいけないと思っていたからです。
機内にて
たまたま隣の席に座ったスイス人にその話をしたら、香港に入国しなくても乗り換えだけで行けるはずだと言われ、香港空港到着後、乗り換え便のキャセイパシフィックのカウンターに連れて行ってくれました。
香港空港にて
香港空港は到着口を出たところに各航空会社のカウンターがあり、パスポートコントロールを通過することなく乗り換えられることが発覚。
しかし、私は香港に入国しなけらば行けないと思いこんでいたため、私のスーツケースは香港空港のターンテーブルに出てくることになっていました。
キャセイパシフィックのお姉さんに事情を説明すると、怒られました…。
電話で素早くスーツケースの乗せ替えを指示してくれ、私の荷物を大阪行きの便に乗せてくれました。香港に入国することなく飛行機の乗り換えをすることができました。
(お姉さん、仕事を増やしてごめんなさい)
お姉さんによると、正しくはシェムリアップ空港のタイ航空のカウンターで
「香港は乗り継ぎで、大阪まで行く便の予約をしてある」
と申し出る必要があるということでした。
マラケシュ(モロッコ)→シュトゥットガルト(ドイツ)→サビハ・ギョクチェン(トルコ)
そんな前回のやりとりなどすっかり忘れ去った6年後、またやってしまいました。
なぜ別切りで購入したのかというと…
旅のスタイルが変わり、乗り換えがあるときは乗り継ぎの国で少し観光するようになっていたので、最近は直行便に乗ることが多く、当日乗り換えをあまりしなくなっていました。
なので別切り航空券というより、直行便の片道航空券を数枚予約しているような感じです。
今回はモロッコからドイツ経由でトルコ行きで
「あ~、私ドイツに入国できないから、その日に乗り継ごうか~」
というノリでうっかり予約してしまいました。
今回はより複雑です。
何故ドイツに入国できないかというと、私のシェンゲン協定国内の観光ビザが切れているからです。
詳しく説明をすると、私は直近までヨーロッパにあるマルタ共和国で90日間過ごしました。
マルタやドイツを含むシェンゲン協定が結ばれているヨーロッパの国々では日本のパスポートだけで行ける観光ビザは180日間中90日間までという決まりがあります。
つまり、私はそのビザを使い果たしてしまったので、マルタ出国後の90日間はシェンゲン協定国内に行くことができないのです。
事前に調べたところ、乗り換えだけであればドイツに入国するわけではないので問題ないという情報を得て、安心してドイツ乗り換えを予約しました。
しかも安かったのでLCCを利用。
- マラケシュ→シュトゥットガルトはライアンエアー
- シュトゥットガルト→サビハ・ギョクチェンはペガサス航空
と別々の航空会社で別々の予約をしました。
そしてフライト数日前になってから気づいたのです。
飛行機乗る前って渡航先のビザを持っているか確認されるよね?マラケシュ空港で止められるんじゃない?
乗り換えだけですと言えばいいかとも思いましたが、その場合航空券を見せる必要があるのでは…?
マラケシュ空港にはペガサス航空のカウンターはありません。
オンラインチェックイン(ペガサス航空)
ペガサス航空は72時間前からオンラインチェックインができるというので、とりあえずオンラインチェックイン。
しかし、ドイツのシュトゥットガルト空港はペガサス航空のEチケットに対応しておらず、当日航空券を受け取りにチェックインカウンターへお越しくださいとの案内が画面に表示されました。
ドイツのシュトゥットガルト空港のチェックインカウンターに行くにはドイツに入国しないといけません。
シュトゥットガルト空港にメールで確認
不安なので、シュトゥットガルト空港にメールで確認することとしました。
「シェンゲンビザが切れているからドイツに入国できないのですが、乗り換えのためにチェックインカウンターに行く場合、入国が必要でしょうか。」
2,3日できちんと回答が届きました。意外と早い!
「ノープロブレム。乗り継ぎ用のエリアがあるし、それがない到着口でも入国してチェックインカウンターまで行けるよ」
まじか。信じよう、でも不安、でも信じよう、できることはすべてやった。これでだめなら当日航空券を購入しなおそう。
オンラインチェックイン(ライアンエアー)
ライアンエアーは24時間前からオンラインチェックインが可能なのでチェックインし、Eチケットは印刷が必要と書かれていたので印刷をして空港へ向かいました。
マラケシュ空港にて
Eチケットを印刷していようともチェックインカウンターへ来てくださいと書かれていたので、ライアンエアーのカウンターへ。
「ドイツに行くのね。ビザはあるの?」
きたーーーー!!
すかさず「乗り継ぎです!」と言い、ペガサス航空の予約メールを見せました。
「OK」
やったーOKだー!!ライアンエアーはパスできました。無事飛行機に乗り、シュトゥットガルト空港に到着。
シュトゥットガルト空港にて
飛行機が到着するとバスが待っていて、バスで空港に連れて行ってもらうタイプ。
バスが停まり到着口の自動ドアをくぐると…
そこには一本道しかなく、パスポートコントロールがありました…
「え…?乗り継ぎ便への専用通路とかないん?」
選択肢がないのでパスポートコントロールへ。
お兄さんがパスポートをチェックしながらしかめ面に…ドキ!
「ドイツに何日間滞在するつもりなの?」
「ドイツには滞在しないの!乗り換えなの!イスタンブールに行くの!!」
「イスタンブール行きの航空券はあるの?」
「これが予約のメールだよ!」
「ふむ…」
ガション!とスタンプが押されました。
「え、おぉ、通れた、というかスタンプ押された!入国した!!」
そう、ドイツに入国できました。
むしろ空港出てドイツ観光できちゃうじゃんっていうくらいバリバリ入国しました。
その後ペガサス航空のチェックインカウンターに行きチェックインも問題なく終了。
搭乗口へ向かう途中にあるパスポートコントロールで出国のスタンプを押されました。
入国と出国が同じ日のスタンプは乗り換えとして判断してくれるそうです。
この記事はイスタンブール行きの飛行機の中で書いています。
できたーーーーーー!!!
あー、終始心配しっぱなしの今回のフライト。後で記事にします。
— Miya🇪🇸@旅ブロガーTabit Info (@TabitInfo) February 14, 2019
モロッコからドイツで乗り換えトルコ行きの予約したんだけど、別の航空会社でそれぞれ予約した上に、シェンゲンのビザ切れてるからドイツに入国できないというギリギリを行きました。
ネットで調べても情報がなくて、フライトアテンダントの知り合いのお姉さんに聞いたり、Yahoo知恵袋に聞いたりお騒がせしました!
フライトアテンダントのお姉さんは知っていることを丁寧に教えてくれて助かりました。空港ごとにいろいろ違うので詳しくはわからないそうです。
Yahoo知恵袋はわからないのに回答してくれる人しかおらず、早々に受付終了しました。(毎回嫌な思いをするのにたまに質問してしまう…)
千歳→香港→ローマ(イタリア)→マルタ
2019年7月末に甥っ子をマルタに招待しました。自分じゃない分、対応にやきもきしました。
甥っ子にとって初めての海外になるので、FSC(LCCではないフルサービスキャリア)のチケットを選ぶこととしました。
バラバラに組み合わせれば安く予約できそうでしたが、別切り航空券のトラブルを避けたかったので、予約サイトを通じて一括予約。Go To Gate(ゴートゥーゲート)というサイトを通じて予約しました。
そう、予約サイトで一括予約すれば通し航空券だと思っていたのです…。
実はこの航空券は別切り航空券だっだようです。
- 新千歳空港→香港→ローマはキャセイパシフィック航空
- ローマ→マルタはエアマルタとアリタリア航空の共同運航
1. キャセイパシフィック航空が案内を間違える
この流れで移動する場合、シェンゲン協定の関係でローマで入国審査があると想定して甥っ子に説明をしていました。が、念のため新千歳空港でキャセイパシフィック航空カウンターで荷物の到着地と入国審査の場所を聞くようにお願いしました。
結果、キャセイさん曰く、「荷物はマルタ着。入国審査もマルタ。」とのこと。
何か、おかしいと思っていました。ローマからマルタにつく飛行機の乗客に入国審査を案内すると思えない…
シェンゲンなんです。なのでローマ入国だと思いチェックイン時に確認してもらったんですが、マルタという回答でした。
— Miya🇪🇸@旅ブロガーTabit Info (@TabitInfo) July 27, 2019
甥、甥の両親、私全員がドキドキしています。
海外初なのでいろんな刺激を受け、今後の人生を広げられたらいいなと思い今回手配しました。
2. エアマルタのシステムダウン
エアマルタでオンラインチェックインをしようと何度も試みましたが、チェックインできませんでした。
なので日本出国時にはキャセイパシフィック航空のチェックインしか済んでおらず、ローマでエアマルタのカウンターに行きチェックインをする必要がありました。
3.キャセイパシフィック航空のお手伝いの人がいない
甥っ子は16歳。新千歳空港のキャセイパシフィック航空カウンターで不安だと伝えると、善意で!善意!!で無料で少しならお手伝いしてくれるというチケットを発行してくれました。
通常有料で(100ドル程度)お手伝いをお願いできるそうですが、ゲートの案内くらいなら無料でもしてくれるという手配をしてくれたのです。とてもありがたい!
香港空港では実際に係りの人が甥っ子を待っていてくれ、待ち合わせ時間を決めてゲートまで連れて行ってくれました。
しかし、最大の心配、ローマ空港には係りの人がいませんでした。(無料なので文句は言えませんが)
4.エアマルタにアリタリア航空に行くように言われる
ローマ到着後、もちろん入国審査があります。やっぱりキャセイさん誤案内ですよね~と思いながらも、急いで入国審査を済ませてエアマルタのチェックインカウンターへ。
一刻を争う中、まさかのエアマルタカウンターでアリタリア航空のカウンターへ行くよう指示されました。
この時点で、チェックイン時間をオーバーしてしまうので、フライトを逃したことが確定しました。
度重なる悲報に加えて、ローマ空港ではうまくライン通話ができず、すべてテキストでメッセージ。
言われるがままにアリタリア航空のカウンターに行くと、「フライトを逃した。次の便は6時間後。振替便の料金は支払う必要がある。」と言われ、私のストレスは最高潮を迎えます…。
とりあえず、説明(抗議)のメッセージを英語で作り甥っ子に送信。画面を見せるように伝えつつ、支払いがあろうととにかく次の便には乗るように指示。
抗議については丁寧に「乗り過ごしたのはエアマルタのシステムダウンが理由でオンラインチェックインができなかったためです。私たちに支払いの必要がありますか?」という内容です。
結果、無料で振り返便が予約されました。
6時間遅れにはなってしまいましたが、甥っ子は無事にマルタに上陸できました。
航空券の別切りと通し まとめ
別切り航空券はおすすめしない!空港によっては複雑!
空港のつくりによっては、
- パスポートコントロールの前に航空会社のカウンターがあるところ
- 乗継用出口がありパスポートコントロールを通らずに乗り継げるところ
- 一度入国しないと乗り継げないところ
など、さまざま。
ネットでは乗り換えのために入国するのはアメリカくらいという情報も見ましたが、ドイツにもあったよ!まさか空港によるとは!
「乗り換え便の航空券見せて」には予約完了メールで対応。
入国の必要がある場合、おそらくスーツケースのピックアップも必要だと思います。
(私は機内持ち込み荷物のみだったので定かではありません)
ひやひやするので別切り航空券は予約しない方がいいと思います。
当日乗り継ぎ便は通し予約に限る!
通しの場合、1便目が遅延すると乗継便の変更などを対応してくれますが、別切りはただの乗り遅れとして対応してもらえません…
デメリットが多い別切りはおすすめできません…
他にも飛行機関連でトラブルがあった経験があります。
もっと読みたい方は「海外旅行で飛行機トラブル 実際に私が体験した事例」をご覧ください。
トラブルにならないためにもオフィシャルサイトから予約するか、日本語対応があるサイトから予約することをおすすめします。
初めて飛行機に乗る場合は、こちらの記事をお読みください。